小児時代にアトピー性皮膚炎があった。中高時代には特に気にならないほどに治っていたが大学に入ると同時にまたアトピー症状がでてきた。しばらくステロイド剤中心に使用していたが社会人になってからも皮膚面の変化が見られない為来局。

体格は中肉中背の体つきで、生理や大小便、食欲には特に異状や変化はみられない。患部の状態は腹部と背中を中心に長年のアトピーの為、角質の肥厚を招き、大量の掻破(そうは)痕(引っ掻き傷の痕やかさぶた)があり、各所に落屑(らくせつ)また、上腕部には鳥肌(とりはだ)状の毛孔性(もうこうせい)のしつ丘疹(きゅうしん)があって乾燥している。
乾燥した湿疹に「荊芥連翹湯」を内服、「サリチル酸ワセリン」と「モクタール」を混合したものを外用
始めは角質層の肥厚を良くしていく桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)を煎じ薬で服用してもらったが3週間経過しても全く変化がみられなかった。そこで思春期以降の乾燥性アトピーに使う荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)を煎じ薬で服用してもらい、患部にはサリチル酸ワセリンとモクタールを混合したものを夜のみ塗ることとした。すると徐々にかゆみが楽になり、数ヶ月すると正常な皮膚になっていったので薬をやめている。

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