
占いの世界では、今年の猛暑は火運太過によるものと言われています。火運太過という表現も占いの世界での表現です。簡単に言えば、火の性質を持ったエネルギー(火運)が甚だ強い(太過)ということを言っています。この占い(四柱推命など)の考えの中心には必ず太陽の活動があります。つまり、『太陽の様子を見ると、今年は○○の傾向があります。だから□□の運気が上昇しますよ。けれど△△の運気の方は注意が必要です。』というのが占いの世界です。
東洋医学は、この占いの『運気』が人体の『気』にどう影響するのか、という点に端を発して体系づけているものだと考えられます。運気という言葉も、世界に満ちる運と人体を流れる気を結びつける表現だと言えますから。ただ自然界の大きな運気の流れは人の力ではどうすることもできません。それにあわせた生活、養生を心掛けるしかないです。幸いなことに東洋医学や中医学には、その為の知恵が長い年月をかけて豊富に蓄えられています。
ここからが本題です。この火運太過という傾向、人体にどのような影響を与えるのでしょうか。強すぎる火の気は心臓の働きに悪影響を与え、弱らせます。(夏が暑い季節に心筋梗塞を起こす方が多いのはこの点によるものです。)また強すぎる火の気は秋も脅かします。 本来、秋は金の気が満ちるはずですが、そこに火の気が入ると火は金に打ち勝つので(火は金を克す)、結果的には金の気が弱まってしまいます。すると本来、金の気によって養われるはずの肺の機能が正常には働かなくなります。つまり『肺力』が養生されない。秋には肺が嫌う乾燥も降りかかりますから、肺にとっては耐えられるものではありません。