
今朝の京都市内は、今年一番の冷え込みではないかと思うほどに寒いですね。厚着するのも一つの手だと思いますが、私はそこをぐっと耐えて、出勤して若甦&温芯のお湯割を飲みます。飲んだ瞬間から温まり、長続きするその効果に、ちょっと驚いています。どちらも当薬局で取り扱っていますから、興味をもたれた方は是非一度お試しになってはいかがでしょうか。
昨日は肌(皮膚)と衛気について述べました。今回はその衛気を養い、高める為の具体的な方法についてお話します。現代的な見地からすれば、気は一種の代謝と捉えられます。運動により体温が上がるように、気が充実すると基礎体温が向上します。現代医学では身体代謝を上げるために日々を積極的に行動することが推奨されます。これは漢方の世界にも当てはまることで、気の充実を図るにはやはり、日々の活動的な行動が必要です。併せて食を充実する(量ではなくて質にこだわりましょう)。身体の基盤となる気と血は精(生まれ持ったエネルギー源のようなものです)と日々の食事、そして呼吸から作られます。精は年を重ねると徐々に失われていきますから、食事のウエイトはその反対に増加していきます。まさに『食は生きることと同義』です。
ここまでは気全体に当てはまる話、 ここからは衛気に当てはまる話です。衛気が高まったと実感する方法の一つには、『温かい飲み物を飲んで厚着をしてみる』です。最近話題のヒートテックもその一つだと思います。冷たかった身体が温まって、冷えにくく、冷えに強くなった感じがしませんか?この後半部分=冷えにくいが衛気の働きだといえます。
しかし今のこの状態は、衣服が肌の代わりをしているに過ぎません。このままでは肌も身体も本来の働きを怠け、衰えます。ですから肌が怠けないように、適度な負荷(ストレス)を与えて強くする必要があります。乾布摩擦が最たる方法ですが・・・、ではその負荷をいつ与えましょうか。真冬の鳥肌が立つような寒い季節に与えましょうか。真夏の発汗が激しいような暑い季節にしましょうか。・・・いえいえ、春や秋の過ごしやすい季節にするのが良しですよ。『負担を与えることは、負担の少ない季節にする』、これは先人の知恵です。
年齢や多忙など様々な理由でなかなか肌を強くできない方は、体表の気を補う生薬や漢方薬を積極的に取りましょう。そして何より身体を冷やさない事。代謝を上げることも大切ですが、下げないようにすることはさらに重要です。長くなりそうですから、この部分のお話はまた後日に。