
寒さが厳しくなる時期を迎えると、
毎年風邪をひかれる方が多くなりますが
今年は喉の不快感や痛みを訴える方が特に多いように感じます。
喉奥に位置する扁桃腺は、病原菌に対する関所のような所。
普段はここで、侵入してきた病原菌を食い止めて防ぐわけですが
免疫力が十分に発揮されない状態や
強力な病原菌、繰り返し感染が起こる状態では
抵抗しきれずに、炎症をおこして赤く腫れてしまいます。
現在では医師の処方の下強力な抗生物質によって
病原菌を殺すことは可能です。
ですが抗生物質の強い作用がからだに合わない方や
繰り返し感染、発病して喉が腫れてしまう方には
身体のアンバランスな状態を是正したり、
自己免疫力を向上させる治療改善が効果的です。
漢方はその代表といえますね。
普段健康な人がたまたまひく風邪は熱や寒などの外邪に原因があります。
ですから、注目されるべきは体の状態より外邪の性質です。
寒であれば温め、熱であれば冷やすという具合に。
ちなみに漢方では腫れは『熱』と捉えます。
一方で、普段から健康に不安を抱える方がしばしば引いてしまう風邪は
外邪よりもむしろ内邪に原因があります。
この場合、注目されるべきは体の状態です。
他の人は風邪を引かないのに、自分だけよく風邪を引くといった場合には
病原菌や外邪云々よりも、自分の身体に問題があると考えられるからです。
風邪がなかなか治らない方もこれに当てはまり
西洋医学でいう免疫力も、ここに当てはまる話です。
前述の扁桃腺に話を戻すと
たまたま腫れてしまったものは
そこが『熱』を帯びているだけなので、
熱を冷ますのに必要なものを服す。
けれど何度も腫れてしまうものは
腫れやすい(熱を帯びやすい)状態にあるので、
それを脱するために身体が必要としているものを補う。
という方法が選択されます。