花粉症について その6
前回の続きです。
花粉症のような素養を持つ方の気血水の巡りは
健全とされる状態からどこかしらの過不足があると考えられます。
ですがその状態では目に見えて症状が現れず、本人も自覚がない。
けれどそこに輪をかける形で寒や熱、水毒や虚が入り込むと
さらに気血水の巡りは過不足(アンバランス)が生じて
耐え切れなくなったからだは症状を外に発します。
春に花粉症が頻発化しやすいのはいろいろな理由が考えられます。
・寒い季節から暖かい季節への移り代わり(凝集から発散)
・花粉の飛ぶ季節(スギやヒノキ花粉症)
また花粉症を増悪させる点では、肝の作用も関係してきます。
中医学では五臓の肝は気血水の疎泄(よどみなく円滑にする)を司り、
春は肝が盛んになりやすい季節であるとされています。
西洋医学では自律神経がしばしば引き合いに出されますね。
春の暖かい季節は、分泌を盛んにする副交感神経を高める作用があります。
ですからなみだ目や鼻水といった症状の程度は、
輪をかけてひどくなる場合があります。
さしずめ肝の陰実といったところでしょうか。
物事は全て陰と陽のバランスで成り立っているというのが、
漢方の基礎的な考えです。
陰が盛んになれば陽は衰え、陽が盛んになれば、陰は衰える。
春は基本的には陽が盛んになる季節です。春の陽気が外界に満ちますから。
すると自然の一部とされる人間の体内も自然と陽が満ちてくる。陽実です。
肝は陽実が過ぎると、肝陽上亢といわれるような症状にもなります。
すると目の充血や鼻づまりのような熱証は輪をかけてひどくなることでしょう。
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更新日: 2014/02/04 |