今日の一言でもたびたび登場する肝。
漢方、特に中国医学でいう肝というのは、
肝臓の働きに加えて自律神経や新陳代謝の機能を担っている部位を指します。
全身の気の流れをコントロールして精神を安定させたり、
胃腸の働きを助けたり、血流を調節したりする働きもあります。
西洋医学的には、自律神経の働きに当たります。
『春は肝の季節』、『春は肝の養生に努める』とよく言いますが、
これには諸説あると考えられます。
・春には、草木の芽が出て伸びやかに、自由に成長を始めます。
そのような現象と同じ印象を持つことができる人体の臓器といえば
新陳代謝が盛んな肝とされています。
・春は環境の変化などで精神的なストレス、
憂鬱感などが生じやすい季節でもあります。
これらの影響を強く受けることで、肝が過緊張したり、
働きが阻害されたりもします。
このような観点から、春は肝の働きが盛んになり、
同時に影響を受けやすい季節とされ、肝による気血の巡りに注目します。
これは言い方を変えれば、
肝の働きが盛んになるという自然の潮流から外れないために、
肝を養う気血の養生に努める必要があります。
肝は体内の気血の巡りを整えますが、同時にその巡りが五臓の肝を養うわけです。
そのために春には、肝を養うとされる陽気を体内に意識的に取り入れ、
肝血を養うために、夜は早めの就寝に努めようと言うわけです。
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更新日: 2014/03/06 |