「続・スタミナと暑気」と題しまして前回の続きです。
まず、おさらいですが、暑気に晒されたからだには、
汗で消耗した水気の補給と同時に、
「汗をかく」ことで損耗したスタミナの補給も必要になります。
このスタミナは、からだを巡る血に宿っていますから、
その補給というのはやはり、血の巡りに因るところが大きい。
そして、「スタミナは血に宿る」とは即ち、
①血液そのもの(陰気)に宿る②血の巡り(陽気)に宿る
という2つの事象を含んでいますから、
スタミナ補給とはその実、
①血液の滋養(養血)
②血の巡りの滋養(活血)
この二つをバランス良く行う事と考えられます。
話がすこし逸れますが、上の様な事は、
暑気による発汗で、スタミナを消耗したときでも、
逆に、いつも冷房の効いた部屋にいて
汗をかかない生活を続けたときでも当てはまることです。
ただし、前者は、発汗によって陰気と陽気をバランス良く消耗していくのに対して、
後者は、冷気によって陽気のみを損耗していくという違いがあります。
そして、温かい時季の大気には陽気が満ちますから、
汗をかく生活では、この陽気の恩恵を受けられますが、
冷房の利いた部屋では、自然の陽気を活かしていくことは決してできません。
そういう意味では過剰な冷房によって、
自ら陽気を損なうことに「不自然さ」を感じずにはいられません。
もっとも、からだに蓄えられた陰気や陽気は、「使う為」にあります。
「若さを浪費してはいけない」というのと同様に、
「それらを消費し何をもたらすか」という点が、とても重要なわけです。
間違っても、後生大事に取って置くため存在するわけではありません。
「スタミナを消費して汗をかくこと」は実際、体にとって大変に価値のあること。
簡単に言ってしまえば「健康的」なわけです。
対して「冷房の冷気によって陽気を損なうこと」は、からだにとって損しかありません。
簡単に言ってしまえば「不健康」なわけです。
冷房の話をしましたのでそのついで、という訳ではありませんが。
皆さんも、冷房の1℃の違いで、寒気の体感が大きく変わる、
というのを経験した事があると思います。
からだの表面がそうあれば、からだの内側もそうではないでしょうか?
冷房の設定温度を気にするのと同じように、
口に服む飲み物の温度にも気を使う。
からだの内側だから、外界と接しにくいから、尚更の事だと思います。

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