3ヶ月前から、胃がんの術後の漢方薬を求めてらい局された。
その時は身体に倦怠感・食欲の低下・軟便等の訴えで、補中益気湯の煎じ薬を飲んでいただき、前記症状がよくなっていた。
このたび、2週間前から、食後のみぞおちの痛み、胸やけ、酸っぱいものが口にあがってくる、左の脇腹が突っ張って、左の肩が痛むという。逆流性の食道炎ようの症状でもあり、また胃がん(最近は検査をしていない)
の再発の可能性もある。
その場で、安中散(あんちゅうさん)と熊胆(ゆうたん)を頓服してもらい、様子をみてもらうと、15分ほどで、心下部の掴まれるような痛みはおさまってきた。
この漢方薬はあくまで、一時な処置なので、癌の再発かどうかは、検査にゆだねるとして、前記症状(食後のみぞおちの痛み、胸やけ、酸っぱいものが口にあがってくる、左の脇腹が突っ張って、左の肩が痛む)から 四逆散(しぎゃくさん) の煎薬をのんでもらう。
すると、翌日には痛みはなくなり、3日後には左わき腹の張りもなくなり、10日間で、すっかり自覚症状は消えてしまった。その後癌検診があったが、異常はみあたららず、さらに喜んでいた。
漢方薬は病名がはっきりしなくても、薬を組み合わせることができます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
方証相対とは、漢方薬を使ううえでの理論のひとつで、病名から薬を
組み合わせるのではなく、病人の自覚・他覚症状から、薬を決めてい
く方法です。
Comments