
10年まえの夏に、足首を虫に刺されて、始めは気にもしていなかったが、
痒みのためズボンや靴下の上から、ぼりぼり掻いていて、1週間がたって、
ふと下肢を見ると膝上まで、10円硬貨くらいの膨れた皮疹がでていて、
びっくりしてその足で皮膚科に駆け込んだ。
始めは、ステロイドの外用と抗ヒスタミン薬の内服で、治療を始めた。
しかし、薬をぬると、一時てきに皮膚の痒みは楽にはなるが、・・そのうち仕事も
忙しいためか、皮膚科にもいかなくなり、痒み止めの買い薬でしのいでいた。
徐々に、痒みが強烈になるとともに、硬い円球状の丘疹になり、結節となってきた。
たまらず、軟膏を塗布するが、なかなかよくならず来局する。

患部はすでに、下半身はもちろん、上肢にもおよんでいる。
夜は激しい痒みに悩まされるという、痒みは皮膚科の抗ヒスタミン薬や、
安定剤にまかせて、皮疹そのものに、対応する漢方薬を考えた。
結節に対して、通導散、皮疹にたいしては、十味敗毒湯、黄連解毒湯を仕事の関係
からエキス剤に、患部はなるべく、タイツ軟膏を厚めに塗布し、必ず包帯をさせた。
内服はとびとびの服用だったが、塗薬は毎日きちんとした。
時間はかかったが、3ヶ月で、激しい痒みはなくなり、半年で、外用はしなくても
丘疹は平になった。更につづけること、半年で、ほぼ痕跡を残すまでになりました。
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今回のケースは、漢方薬の効果は無論のこと、
本人の治そうとする気力と努力がよい結果になったようです。
皮膚は湿疹でも、虫刺され、でも掻いては大変なことになりますよ。
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