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病気と漢方

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外傷と漢方

 
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漢方薬で外傷を治そう!

外傷で下記の症状に該当するような方は、それぞれの処方を参考にしてください。

こんな時は 臓腑に外傷を受け、意識がない場合
処方 大成湯(だいせいとう:陳皮、当帰、蘇木、木通、紅花、厚朴、甘草各1、枳穀、芒硝各2、大黄3g)
解説 煎じて、その8分目を服用させ、二時間後に「煎じカス」を再煎し、蜂蜜を入れて服用してください。

こんな時は 跌撲損傷、刀傷により出血過多の患者さんが自ら覚醒しない
処方 独参湯(どくじんとう)
解説 薬用人参を単味で用いる方法で、10gを煎じて、煎液の半分を閉じている口の横から入れて服用させ、意識を取り戻すまで再煎して服用させるように『外科正宗』には指示されています。

こんな時は 手術後の傷口の修復が悪い患者さん
処方 薄い人参(紅参)茶
解説

お茶代わりに薄い人参(紅参)茶を飲むと、より治療効果が高まります。


■生薬名:紅参
紅参

こんな時は 激しい痛みには耐えられないが、胃の障害も耐えられないという場合
処方 紅参(こうじん)
解説

一日分10gを煎じて3回に分け、新薬の内服前に服用するとよいのです。またそれに相当する量のエキス剤を服用するのも効果的です。


こんな時は 外傷
処方
  • 桃核承気湯(とうかくじょうきとう:桃仁5、桂皮4、大黄3、芒硝2、甘草1.5)
  • 三黄丸(黄連、黄ゴン(おうごん)、大黄末を丸剤にしたもの)
  • 治打撲一方(ちだぼくいっぽう:川骨、樸ソク川キュウ(センキュウ)、桂皮、大黄、丁子、甘草)
解説

これらはすべて大黄剤です。漢方では、外傷に瀉下剤を使うという基本的な考えがあります。

外傷を受けると、急な激しいストレスで腸管内に生息する悪玉大腸菌が急増し、その菌体内毒素(エンドトキシン)が腸管から吸収され、肝臓の免疫力がオーバーワークとなり機能が低下して解毒できなくなり、血管内血栓形成症候群が発生しやすくなっていますので、瀉下剤を用いてまずは悪玉大腸菌を排泄させようとしたのではないかと推察されます。


こんな時は 外傷
処方 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
解説

旅先で怪我をして十分な治療がすぐに受けられない場合は、この処方を携帯するのがよろしいです。


こんな時は 静止した状態では痛みはないが、動いたり、患部(古傷)を押さえると痛みを感じたり、患部周辺の皮下脂肪組織をつまんでその部分だけが硬く痛みを感じたら
処方 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
解説

食前に桂枝茯苓丸を欠かさず、諸症状が取れるまで服用してください。


こんな時は スポーツでケガをすれば
処方
  • 桂枝茯苓丸
  • 紅参

■桂枝茯苓丸構成生薬
桂枝茯苓丸構成生薬

こんな時は 骨折で治りにくい人
処方 桂枝茯苓丸の配合生薬 + 「続断(ぞくだん)」「骨砕補(こつさいほ)」「補骨脂(ほこつし)、破胡紙(はこし)ともいう」「接骨木(せっこつぼく)」「丹参(たんじん)」など
解説

湯液で服用されると効果的です。


MEMO

外傷の治療中に注意しなければならないことは、モチ米で作られたモチ、あられ(おかき)などを決して食べないことです。1個の“あられ”で、もとの状態に戻ると肝に命じてください。

参考になりましたでしょうか?

ここで紹介した処方は、ほんの一部です。漢方相談薬局・薬店店舗紹介また実際に使用される場合は、必ず漢方相談薬局・薬店などでご相談ください。

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