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治療例集 №2扁桃腺を腫らしやすい  鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★44歳、男性。身長170cm、体重58kg
【主訴】
一年中カゼをひいている。カゼを引くとすぐ扁桃腺がはれ40度の高熱を出し、咽痛・倦怠がひどい。病院で抗生物質と解熱剤を服用して治す、またしばらくしたら発熱、を繰り返している。同時に蓄膿症を持っていて常に黄色鼻水がある。また扁桃腺が腫れると黄色い痰を伴う咳が出る。
【病歴】
肺炎(カゼをこじらせて)
十二指腸潰瘍(24歳時、内服にて治療)
【併用薬】
カゼ薬、抗生物質
【全身症状】
寒熱:冷え性(-)
二便:大便:1日1回
   小便:1日6~7回
食欲:普通
全身:疲れやすい。
皮膚:乾燥、浅黒い。学生の頃は化膿性ニキビが多発

<漢方的病理分析>
典型的な「解毒症体質」と思われる。「解毒症体質」とは「肝臓で解毒を必要とする毒素を有する体質」と定義され、「外界の刺激に容易に反応し易い体質」とも解釈されている。具体的にはその代表に「結核菌に犯されやすい体質」がある。今日においては幼年期・青年期には慢性中耳炎、慢性蓄膿症、慢性扁桃腺炎、アデノイド、化膿性ニキビなど、壮年期以降は肝臓・腎臓・すい臓・前立腺・卵巣・子宮・膀胱・肛門などの慢性炎症がこれに該当する。解毒症体質はそのほかにも長身・痩せ型・皮膚浅黒い・くすぐったがり、といった傾向がある。今回の場合はこの「解毒症体質」に加えて、疲れやすいことから「気虚(体力の不足)」、化膿性の痰を伴う咳から「肺熱(肺に熱がこもった状態)」を兼ねているものと思われる。
<漢方的治療方針>
「解毒症体質」に対しては解毒を、「気虚」には元気を補い、「肺熱」には肺の熱を冷ます、などの治療を行う。
<実際に用いた漢方処方>
荊芥連翹湯(解毒症体質)+補中益気湯(気虚)+麻杏甘石湯(肺熱)
<結果>
服用をはじめてから最初に変化があったのは蓄膿症の改善であった(黄色の鼻水の激減)。
その後、暫時発熱・咽痛の頻度が減少。ただ、発熱時は漢方薬だけでは追いつかずに病院の抗生物質・解熱薬をたびたび併用した。またのどの腫れ痛み・鼻水の状態によっては荊芥連翹湯+桔梗石膏+補中益気湯あるいは荊芥連翹湯+排膿散及湯+補中益気湯などとして適宜乗り越えてきた。最終的には荊芥連翹湯+排膿散及湯+補中益気湯で最も安定した効果を発揮。その後紆余曲折あったものの、カゼを引かない状態を1年間確認の後に暫減、廃薬。
<考察>
慢性扁桃腺炎は辛いものらしい。すでに発熱してしまったものには抗生物質・解熱薬が効果を発揮するが、あくまで「発熱してからの対処療法」にすぎず「扁桃腺が腫れない体質作り」はできない。ところが、漢方薬にはこの「扁桃腺が腫れない体質作り」ができる。ここに漢方薬の利用価値があると思う。慢性扁桃腺炎をそのまま放置すると40~50才以降になるとその毒が下半身へと伝わり腎臓・膀胱・前立腺の慢性炎症を引き起こす恐れがあるので注意が必要である。


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