治療例集 №8 脂漏性湿疹 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★30才、男性。身長182cm、体重60kg
【主訴】
脂漏性湿疹。口周囲の盛り上がりのある発赤。患部および顔全体が油っぽい。痛痒(-)、落屑(+)。3年ほど前から。
【病歴】
蓄膿症、腰部ヘルニア。
【全身症状】
寒熱:冷え(-)、のぼせ(-)
二便:大便:1日1行
小便:1日5~6行
飲食:平
全身:疲れやすい。
面色:青白い
舌:舌質:平、舌苔:微白
<漢方的病理分析>
脂漏性湿疹は漢方的には「湿熱」(ジュクジュクとした熱)によるものと考えられる。
<実際に使った漢方処方>
湿熱による脂漏性湿疹の基本処方は十味敗毒湯である。更に発赤に対応できるよう黄連解毒湯を合方する。すなわち十味敗毒湯合黄連解毒湯とする。
<結果>
服用2週で発赤・落屑・油肌が消失。ただし、脂漏性湿疹の根本治癒には比較的長く時間がかかるので、継続服用を進め、都合8ヶ月間服用の後に廃薬。
<考察>
「脂漏性湿疹」の根底には「脂漏体質」がある。表面の湿疹がなくなっても根本にある脂漏体質が改善されない限り根本治療はできない。程度にもよるが、多くの場合、長期間を要する。
更新日: 2011/06/01 |