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治療例集№29 夜中にハッと目が覚め不安に襲われる  鹿児島・漢方専門・厚仁堂薬局)
33歳、女性。身長160㎝、体重55㎏、子供一人(4才)。
<主訴>
緊張過多。理由もないのにいつもみぞおちに力が入り緊張している感じ。みぞおちの力みがのどのつかえに代わることもしばしばある。睡眠中、動悸で目覚め、その後不安感で眠れず。また、仕事中は緊張のため項・胸・脇・手掌に汗をかく。月経の前後で悪化傾向。楽しいことをしている間は何も感じない。2年前引っ越しして不眠となり、これがきっかけで上記症状を発症。病院にてマイスリー、パキシル、リーゼを服用していたが効果がないので現在は中止している。
<現病・病歴>
花粉症あり。
過敏性大腸症候群・アトピー・小児喘息・盲腸手術等の履歴あり。
<全身症状>
寒熱:手足は冷え性。
二便:大便2~3日1行。下利したり便秘したり一定しない。
小便1日5~6行、夜間0行、色・量ともに平。
飲食:食欲(平)、飲水(平)
全身:疲れやすい。風邪をひきやすい(咽痛・黄粘痰)、車暈(+)
浮腫:下肢にすこしあり。
睡眠:不眠傾向
心神:不整脈あり、驚きやすい。
汗:項・胸・脇・手掌の汗
頭:経前に頭痛あり(→ロキソニン服用)
腰・肢:肩こりあり。肩こりが強いと頭痛しやすい。
経行:周期(24~26日)、経期(7日間)、経痛(下腹部・軽微)、経血(暗赤色、量平)、血塊(−)
面・舌:舌質平、舌苔微白
体型:中肉でぽっちゃりした感じ
皮膚:細絡(ふくらはぎに少し)
嗜好:飲酒(CD)、煙草(−)。
血圧:101~70、脈拍(71)、貧血(−)
脈拍:
<経過・結果>
1診:みぞおちの力みとのどのつかえ・発汗異常・不整脈などはすべて気滞と考えられる。このような症状には半夏厚朴湯合四逆散(八味解鬱湯)を好んで用いている。ただし夜間の動悸発作、これらが月経前に悪化すること、月経前の頭痛・肩こりなどから血瘀も強く影響しているものと考えられる。そこで、四逆散を血府逐瘀湯に展開し血府逐瘀湯合半夏厚朴湯として用いることにする。
処方1)血府逐瘀湯+半夏厚朴湯 分2 14日分
2診:服用後1週間ほどで来経、血塊(↑)。頭痛・肩こり(↓)、胸・のど(↓)、及びこれらに伴う緊張感(↓)。夜中の心悸も全く出ず、よく眠れるようになった。大便、ほぼ毎日出るようになった。発汗改善なし。
処方1) do.  14日分
3診:良好
処方1) do.  14日分
4診:来経(25日周期)、血塊(↓)経血(↑)、経痛(−)。発汗異常(少し改善)。胸・のどの症状・緊張感・頭痛・肩こり・夜中の心悸・不眠などいずれもほとんど気にならなくなった。こののちも処方1)を継続服用、都合6か月服用ののち廃薬。
<考察>
夜中に動悸のためハッと目が覚めるのはかなり怖いものらしい。これが続くと日中も不安で落ちつかなくなる。今回の症例は気滞と血瘀とが錯綜したものであろう。この様な場合、血府逐瘀湯は非常によく効く。神経性膀胱炎を兼ねる場合は合猪苓湯、加齢に伴う頭痛には合釣藤散、便秘・頭痛を兼ねる場合は合桃核承気湯など応用して用いている。


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