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治療例集 №6 月経痛と冷え性 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★27才、女性。身長163cm、体重60kg
【主訴】
月経痛および冷え性。月経痛は下腹部でいつも同じところがピンスポットで痛む。痛みは、終日同程度で刺すように痛み、かなり激しく、鎮痛剤は必ず服用しているが効かないことも多い。夜、痛みで目がさめることもある。月経の始まる1日前から痛み月経開始2日目まで続く。月経周期は21~35日と一定しない。経期は3日間。経血の色は濃く量は少ない。ワカメ状の血塊が多く出る。冷え性は、上肢より下肢(特にくるぶし以下)がひどく、触ると氷のように冷たい。夜は靴下を二枚重ねて寝ている。手指に毎年ピンク色の霜焼けが出来やすい。月経痛はここ四五年前から。冷え性は中学の頃から。以前ある漢方医の診察を受け当帰建中湯を半年ほど服用したが全くの無効であった。
【病歴】
なし
【併用薬】
なし
【全身症状】
四肢:下肢冷(++)。冷えのぼせが強い。冬季、寒い外から暖かい部屋に入ると耳まで真っ赤になる。
二便:大便2~3日に1行。便は硬い。下剤は使用してない。
小便1日10行。色は透明、量は多い。
食欲:普通。
汗:普通。
頭:天気の悪い時、締め付けられるような頭痛がある。歯が痛くなりやすい。
舌:舌質淡・胖大。左舌辺に赤紫色の瘀斑あり。
皮膚:あざが出来やすく、傷がケロイド状にのこりやすい。
<漢方的病理分析>
月経痛の特徴、短い経期、濃い経血、多量のワカメ状の血塊、および冷えのぼせ・舌診・あざやケロイドが出来やすいことなどから胞宮血瘀(子宮に悪い血が溜まっている状態)による月経痛であることは間違いない。便秘は血瘀が大腸に波及したもので、頭痛・歯痛も血瘀が上衝したものであろう。また下肢冷は胞宮血瘀を治すだけで改善することも多いが、今回の場合は非常に冷えが強いので、これはこれで別に対応しなければならない。
<実際に使った漢方処方>
胞宮血瘀には桃核承気湯、手足の血流をよくし冷えを改善するために当帰四逆加呉茱萸生姜湯。この二方を併用。14日間服用。
<結果>
便通が良くなり、寒冷時ののぼせ感が楽になってきた。下肢冷は同じ。
更に同一処方を14日分投与。体が軽くなってきているのがわかる。
更に同一処方を14日分投与。今回漢方薬を服用後始めて月経を向かえたがまったく月経痛がなかった。出血量も増加し、血塊もでなかった。ただし経期3日間、周期21日は変わらず。
この後3ヶ月同一処方を続けたところで下肢冷も非常に改善してきた。経期は5日間、周期は25日で一定している。また漢方薬を服用し始めてから頭痛、歯痛および霜焼けは一度も出ていない。更に継続して服用することを勧めたが、この時点で患者の経済的理由にて服用中止。
<考察>
 女性の疾患は何病に限らず血瘀よることが多い。便秘が同時に起こると、その血瘀は更に頑固なものになる。このような場合、血瘀と同時に便秘を治さなければ治療効果は上がらない。血瘀治療の大原則である。桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、通導散などがこのような状況によく用いられる。今回用いた桃核承気湯は、「血瘀が便秘を形成し、この血瘀が更に頭面部へと上逆して頭痛・歯痛・鼻血などの症状を引き起こすような状態」によく用いている。


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