• お問い合せ
  • サイトマップ
  • 個人情報保護
  • 交通アクセス
  • 漢方薬 漢方薬局 薬店のことなら きぐすり.com
  • ホームへ
  • 店舗紹介
  • 相談方法

治療例集 №5 めまい 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★27歳、男性。身長182cm、体重77kg。ガッチリとしたスポーツマン体格。
【主訴】
めまい。突然何の前兆もなくフワッとした感覚・体が落ちてゆく感覚に襲われる。1分~半日と持続時間はまちまちである。この時足元が軽くなり、フワフワした感じになり歩いていて足元がおぼつかない。回転性(―)頭位置性(―)、吐き気(―)、耳鳴(―)、難聴などの後遺症(―)。また疲労・多忙時に動悸がしてなんとも落ち着かなくなる症状もあり、これもつらいという。この動悸は、めまい発作と同時に出ることもあるが別々のこともある。めまい、動悸はいずれも仕事の多忙・緊張・疲労が重なった頃から発症している。右頚項強あり。3種類の病院の薬を服用しているがほとんど無効。
【病歴】
蕁麻疹(3ヶ月前、ストレス性との診断)
疲労時に左わき腹の痛みあり(病院にて、すい臓が弱っているといわれている。投薬なし。)
【併用薬】
メリスロン(抗メニエル薬)
アデボス(脳循環改善薬)
デパス(抗不安薬)
【全身症状】
寒熱:四肢は冷える傾向にある。
二便:大便1日1回。どちらかというと下利しやすい。
   小便1日4~5回。色・量ともに平。
全身:疲れがたまっているかんじ。
汗:てのひら発汗過多。
咽喉:扁桃腺を腫らしやすい。
舌:舌質痰、舌苔微白~潤。
飲酒:付き合いでかなり多い。
タバコ:少し。
血圧:133-66
脈拍:66/分

<漢方的病理分析>
まず、回転性(-)吐き気(-)・耳鳴り(-)・後遺症(-)などからメニエル病を否定してよいと思う。発症の過程を考えるとストレスの要素が大きいと思われる。更に、めまいと同時に動揺感(頭重脚軽)・動悸およびこれに伴う不安感なども特徴的である。めまいや動悸の原因には「気」あるいは「水」の病変が考えられるが、今回の場合は「水」の兆候はなく、ほぼ「気」の病変と考えてよいと思う。
<漢方的治療方針>
心気(しんき)を落ち着かせてめまい・動悸・不安を取り除く。
<実際に使った漢方処方>
柴胡加竜骨牡蠣湯(大黄含まず)
<結果>
著効あり。服用2日目より「めまい」「頭重脚軽」「動悸」「不安感」いずれも消失。本人の表情がやわらかくなっているのが確認できる。この後、ストレスにより症状の後戻りを繰り返すものの終始上記処方上記を続け、3種類の病院薬もこの後暫減。都合4ヶ月服用の後廃薬。
<考察>
今回の症状は現代医学的には「自律神経失調症」の範疇と思われる。このような場合、現代医学的には「抗不安薬」「抗ウツ薬」「睡眠薬」の強弱・多少の組み合わせで対処することが多い。しかしながら、実際にはこれらの薬物は、症状の改善に多少役立つことはあるものの本質的な治療には至らないことが多いように感じている。更にはだるさ・集中力の低下など副作用のほうが強く出て生活の質を大きく落としている。一方、漢方はこれら自律神経失調症に対しては症状ごとにきめ細かに処方が用意されており、根本的な治療に結び付けられることが多い。「抗不安薬」「抗ウツ薬」「睡眠薬」の臨床的価値を否定するつもりはまったくないが、こと自律神経失調症の治療においては漢方薬のほうが本質的に適しているように思う。


Copyright© Ko-jindo Pharmacy. All Rights Reserved.