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治療例集 №4 不妊(Part2) 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
32歳、女性。身長160cm、体重52kg。
【主訴】
不妊。二人目ができない。一人目はもう8歳になる。昨年、一年間病院でホルモン注射による治療を行ったが結果が出ない。基礎体温表は2層に分かれるものの高温期が短く、かつ連続しない。
【全身症状】
四肢;強い冷え性、特に手部、足部。冬は靴下を二枚はいて寝ている。冷えのぼせあり。
二便:大便:1日1回。
   小便:1日7~8回。色はほとんど無色透明。
食欲:普通
全身:疲れやすい。
胃腸症状:特になし。
頭項:肩凝りからの頭痛あり。
月経:周期(30~35日)、経期(5~7日間)、月経痛(下腹部、軽微)、
経血(色:暗赤色、量:平)、血塊(5㎜ほど×5個くらい)、初潮13歳。
面色:萎黄
舌:舌苔なし、舌質:赤紫、瘀点あり。
皮膚:アザが出来やすい、外痔核あり。
血圧:100-54
脈拍:71/分

<漢方的病理分析>
不妊症の原因病理は多岐にわたるが、概ね血瘀、気虚、血虚、腎虚、虚寒などを念頭において問診を進めている。
不妊治療の最重要ポイントは月経の状態および基礎体温表であると考えている。今回の場合、月経は遅くなる傾向で、経血の暗赤色・血塊、更には舌質(赤紫・瘀点)・アザが出来やすい、などから血瘀(血の流れが悪い状態)が考えられる。また、高温期が短く連続しないこと、手足の強い冷え、尿清長から虚寒(体を温めるエネルギーの低下状態)が考えられる。これらの血瘀と虚寒とが独立して存在するとは考えにくく、両者が因果関係を持って「虚寒を帯びる血瘀」を形成し、これが不妊の原因になっているものと推察される。
<実際に用いた漢方処方>
「虚寒を帯びる血瘀」に対応でき、不妊治療、特に「二人目不妊」に汎用される芎帰調血飲第一加減を選択。更に、手足部の冷えに対応できるよう当帰四逆加呉茱萸生姜湯を併用。
<経過・結果>
服用約1ヶ月にて、高温期が13日ほどになり、連続するようなる。30日目で月経となる。経血きれいになる。手は温まるが足の冷えは変わらず。そのまま継続服用。
服用後2ヶ月目で妊娠。妊娠確認後は当帰芍薬散+補中益気湯に変更。
順調に経過し、男児出産。2800グラム。安産なり。
出産後は再度芎帰調血飲第一加減を100日間服用。
<考察>
「二人目不妊」に芎帰調血飲第一加減を好んで用いている。
「冷え」の顕著な場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯や五積散を、「疲労・倦怠」の顕著な場合は補中益気湯をあわせて用いるようしている。


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