治療例集 №7 メタボ 鹿児島 漢方専門厚仁堂薬局
★63才、女性。身長158cm、体重62kg
【主訴】
高脂血症・高尿酸血症の治療を希望。2年ほど前の血液検査で発覚。
現在のところ自覚症状は何も無い。現在の数値は次のとおり。
中性脂肪267(30~149)
尿酸7.8(女性2.3~5.5)
コレステロール及び血糖は基準内。
現在、病院の治療は受けていない。
【全身症状】
色白で肩幅大きくがっちりした感じ。
飲食:過食の傾向、肉を好んで食べる
飲水(平)
寒熱:下肢冷(-)、冷えのぼせ(+)
二便:大便は毎日あるが、硬く量は少ない。
小便は1日7~8行。
舌:舌質紅、舌苔白膩
【病歴】
子宮筋腫にて子宮摘出。下肢静脈瘤手術。慢性蓄膿症、慢性扁桃腺肥大あり。
【併用薬】
なし。
<漢方的病理分析・漢方処方>
一貫堂医学で言うところの臓毒症・血瘀症・解毒症の複合型と判断し、防風通聖散・通導散・一貫堂竜胆瀉肝湯の三方を合方して投与。
臓毒症(食毒)・・・肥満傾向、過食、体型、大便の状態、舌苔白膩
血瘀症・・・冷えのぼせ、大便の状態、子宮筋腫及び下肢静脈の手術歴
解毒症・・・舌質紅、慢性蓄膿症、慢性扁桃腺肥大、高尿酸血症
<結果>
投薬後の血液検査の数値及び体重の変化は次のとおり
H17.2.28 H17.12.1 H19.10.24
尿酸 7.8 6.9 5.8(基準値内)
中性脂肪 267 130 97(基準値内)
体重 62 56 56(BMI:22.4)
<考察>
近年、生活習慣病の治療に防風通聖散(食毒症)が喧伝されているが、実際の生活習慣病においては食毒症の他に血瘀症・解毒症を兼ねていることが多く、結果、防風通聖散単独より防風通聖散合通導散、防風通聖散合一貫堂竜胆瀉肝湯、あるいは防風通聖散合通導散合一貫堂竜胆瀉肝湯などとしたほうが有効な場合が多い。
更新日: 2011/05/18 |