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春先は、はしかやおたふく風邪、風疹などの感染症や結膜炎などの目の病気、喘息やアレルギーと関係のある病気にかかりやすい時期です。近年増加傾向のアレルギー性鼻炎とは発作性反復性のクシャミ、水溶性鼻水、鼻閉を主徴とする鼻炎膜のI型アレルギーです。そのほか目が赤く充血して涙が流れたり、頭痛や頭重を伴ったりします。

春先に多いのは、アレルギー性鼻炎の大きな原因である杉の花粉が三月から四月にかけて、また松の花粉が四月から五月にかけて大気中に舞うことによります。

昔は無かったアレルギー性鼻炎は花粉だけが原因ではなく、大気汚染や食生活の大きな変化などが背景にあります。そのために季節に関係なく症状に現れる方もあります。鼻症状の外に肩こりやのぼせ、目まい、手足の冷え、腹部の膨満感や便秘などの胃腸障害が現れることが多いものです。

くしゃみや鼻水、鼻づまりの発作に、一般的には西洋薬の抗アレルギー剤が使用されますが、欠点として眠気を催すことがあげられます。その点、漢方薬はその心配がありません。しかし、漢方薬はすぐに効かないと思っておられる方が多いようですが、漢方薬も使い方によっては、内服後十五~三十分頃より症状が楽になり、その効果が六~八時間持続いたします。

漢方薬は長く服用して、体質を改善するためによく用いられていますが、急に生じた症状にすぐ対応するために用いられることのほうが現代では重要なことと思います。

もともと漢方の古典である「傷寒論」は紀元前頃に流行した疫病で多くの人が亡くなることを憂慮して漢方薬の使い方をまとめた本なのです。

なお大切なことは、漢方薬は自然の植物・動物・鉱物などを原料にして作られたものですので、原料の品質の良否によって、同じ名前の漢方薬でも、用いた原料の品質や製造方法などによってその効果は大きく異なりますので、注意が必要です。

一般にアレルギー性鼻炎に用いる漢方薬を紹介しましょう。

葛根湯
くしゃみや鼻水、鼻づまりの発作の起こる方で、後ろ首筋から肩にかけて凝りやすく、頭痛がしやすい場合に用います。

小青竜湯
激しいくしゃみと鼻水が特徴で、日頃から水分をよく取る方に多く、アレルギー性鼻炎に一番よく用いる処方です。

麻黄附子細辛湯
体力のない人で、寒気を強く感じて、くしゃみと鼻水が出るときに用います。この処方は細菌よく用いられる傾向が強くなっています。

麦門冬湯
こみあげるような激しいくしゃみの発作が続くが、鼻水はたいしたことがない場合に用います。

アレルギー性鼻炎は、最近急激に増加していますが、その原因と言われる杉などの花粉が急に大気中に増加したのだとは考えられません、これは、都市化による生活環境の悪化に加えて、生活、特に食生活などで我々の体質が変わったことが大きな原因でしょう。即ち、アレルギー性鼻炎は現在日本人の誤った生活習慣が原因です。

主なものをあげてみると、
一、飲食物は、その地方に昔から伝わるものがその土地に住む人に最適です。
二、人工的に作られたものは控えましょう。
怖い話ですが、これを摂取したらどんな障害が出るか、目下実験中とも考えられます。
三、冷たいものの飲食は控えましょう。
四、生野菜の常食はやめましょう。
五、牛乳やヨーグルトの常食も控えましょう。
六、冬場の服装に気をつけましょう。薄着やショートパンツは止めましょう。
七、アイスクリームは食後に少量。冷たいドリンクの飲みすぎ、緑茶の飲みすぎは要注意です。
以上のように、日常の注意としては、過労を避け、睡眠を十分にとり、下半身を冷やさないような服装に注意して、肉食や魚、卵などの動物性食品に偏らないように注意して、緑黄野菜や無精白の穀類を中心にしたバランスの取れた食事をすることが非常に大切です。

最近の厚生労働省の発表では、日本人の食事の栄養素は殆ど摂れているが、カルシウムだけが不足していると言っています。火山国の日本の土壌に、カルシウムが不足していますので、アレルギー体質の方はカルシウムの摂取を積極的に心がけてほしいと思います。


解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
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