朝晩の冷え込みが厳しくなると風邪を引きやすくなります。
風邪を「急性上気道炎」と考えると、細菌やウイルスによる鼻やのどの炎症ということになりますが、実際には寒さや乾燥、あるいはホコリや大気汚染などによって風邪と同じ症状は起こるのです。
私はこれを”疑似風邪”と考えています。
つまり、体表にある様々な知覚神経からの情報が中枢に伝えられ、自律神経を介して身体に『防御態勢』を取らせているものです。
実際にウイルスなどの侵入は無く、あったとしても発病・発症はしていない場合、身体は皮膚を引き締め悪寒、発熱の準備をするのです。そして早々と体温を上昇させるのです。
漢方ではインフルエンザのように治るまでに何日もかかる疾患を「傷寒」、そんなにひどくならない疾患を「中風」と分けて考えています。
「中風」の中には”疑似風邪”も含まれており、そういった時にはたった一度の漢方薬で全ての症状が無くなってしまう事もあるのです。