平成十八年の厚生労働省の人口動態統計によると、女子の特殊出生率(女子が一生の間に出産する子供の平均数)は、前年に比べ0.06ポイント増えて1.32となっていますが、統計を取り始めた1947年以降で最も低い水準(昭和五十年―1.91、昭和六十年―1.76、平成七年―1.42)となっています。
また、平成十八年の死亡数は108万3796人(昭和三十年以降は70万人前後で推移していたが、昭和五十年代後半から増加傾向となり、平成二年以降80万人台、平成七年以降90万人台となり、平成十五年から100万人台)となっています。
死亡原因は癌、心疾患、脳血管疾患と変わりませんが、死亡数のピークは男性では六十歳台で、女性では四十~五十歳台で、それ以降は男女とも心疾患・脳血管疾患が増加しています。
癌の中では、男性の肺癌が異常に(昭和三十年代の死亡数1893人が平成十八年4万5927人)増加しています。
これが昨今の禁煙運動に発展していると思われます。
現在日本は先進諸国の中では、特異的な超高齢化社会に突入しており、年をとると介護の必要な病気に罹りやすいとも言えます。
誰でも「寝たきりや痴呆になったらどうしよう」と不安を持っています。
老後の健康は若い時から養生して行かねばならないことは、最古の医学書「素問」にすでに書かれています。
「夏の漢方」

日本は、1960年以降急激に高齢化社会に突入しており、老齢人口(六五歳以上の人口)割合が5%前後から、2000年には17.2%となり、2050年には40%を超すと予想されています。
介護を受けずに健康に老後が過ごせるように、東洋医学が病気を未然に防ぐ医学としてもっともっと国民の中に広がって欲しいと願っています。
解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)