「良い子」を演じている自分と成長とともに出てきた「本来の自分」が
ちぐはぐになって「食」や「体重」にしがみついて摂食障害がおこると考えらます。
「やせ願望」にしがみつくのは、たまたまのきっかけである事が多いものです。

まずは、自分の本質に気づいて「自分に合った生き方」を見つけて
それを伸ばす事が大事となります。
しがみついている事(体重など)以外で自分に合ったものに出会う事が大事です。

こういう人は、親に心配かけたくない思いと太りたくないという思いとの葛藤があります。
内科的に異常ないのに極端に痩せていると拒食症を疑うのですが、
親の前では心配かけたくないという思いで演技する(食べるふりなど)事もあるので注意が必要です。

拒食症の場合、内科的データで異常ない事、体重が必要最低限キープできている事が絶対条件です。
必要に応じて入院も視野に入れなければいけないので、内科医との連携は必須となります。

拒食症の人は強固な意志で食を拒んでいるという事を
親(サポーター)が理解するという所からのスタートになります。
本人は痩せている事に満足しているため治療の土俵に上がらない事が多いものです。
これを親(サポーター)が悟って「食べなさい」ではないアプローチをできるように導くのです。

また、本人が「入院しないで済む」という体重を自分の意思でキープする事が大事です。
内科医と連携して入院の必要性は○○キログラムというリミットの設定をし、
それを本人に了承させて体重を維持させる事が命を守る原則となります。

「夢中になれるもの」「生きがい」を見つける事で
「食」に対するこだわりやしがみつきから脱出させることが遠回りのようで近道です。

本人が「治りたい」と思う事、家族が「治してやりたい」と思う事が必要で、
その強い気持ちが大事です。

良い子を演じる事で自分の居場所を確保してきた子が、
良い子を止めるのは容易い事でない事を家族は良く理解する事です。

本人の発言力を高める事が大事で、自分の持ち味を理解して伸ばすように持っていくのです。
「本質の自分」と「今までの演じていた自分」とのズレからくるストレスや窮屈さがあるので
自分でも「何とかしたい」と思っても「何ともできない苦しさ」がある事もあります。
「ズレ」の隙に「やせ願望」が入り込んで、
痩せる事=自分らしさという満足感で満たされると抜けだしにくくなります。
別の「自分らしさ・生きがい」を探さないといけません。

本人の心は「放っておいて」と「かまって」の相反する気持ちがうずまいています。
自分で自分の気持ちのコントロールができない事も多いものです。

自己主張しだした本人に母は否定せず合わせて会話し子がリードする会話にもっていきます。
本人を説得しても受け入れられる事はまずありません。
支援者はそれを良く理解して行動する事です。
例えば「太っている、太ってない」の押し問答をしても意味がありません。
逆に「わかってくれてない」と思うだけです。

お互いの思いをぶつけても平行線にしかならないので、
共通する問題の優先順位は何かを考えて、
核心には触れず、琴線に触れず、まずは、親(サポーター)の考えを封印して本人の話に耳を傾けることです。
本人のプレッシャーになる事は話題にせず、リピート&雑談の主導権を本人にとらせることです。
基本的に否定せず、親(サポーター)の考えを押し付けず、
本人のこだわりや主張をリピート又は相づちで認めることです。
認められたら自己肯定感が上がります。

そうして少しずつ、ステップアップしていくのです。

 

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