台北の漢方問屋街(廸化街)へ行くと、乾物屋に入ってしまったかと思うほど、店頭には色々な食材が数多く並べられ、その一方には漢方薬がずらりと並べられています。
旧正月が近づくと廸化街は人混みで身動きが出来なくなるほど、台北の人々は食材としての生薬を買い出しに集まります。
日本では漢方薬の材料である生薬の殆どは日本薬局方に収載されて、医薬品として扱われ、食品としては販売できなくなっています。
お隣の国の台湾では、日頃から大衆が生薬を食事に数多く取り入れております。
現在では四十数種類の生薬が食品として販売されており、それらを利用して製薬会社が数多くの健康食品を生産し、台湾の人々の健康づくりに役だっているようです。
中国人と日本人を比較すると、体力・スタミナの点では中国人に負けてしまうと思われるのは、日頃の食生活の差にあるのだなあとつくづく感じています。
解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)