環境が段々と寒くなり、体も寒さに対する抵抗力を付けようとしています。
中医学では「肺は気をつかさどる」と言って、肺は体内の気(エネルギー)の巡りを盛んにして、各臓器の働きを高める作用があると考えています。
気にも二種類有り、一つは、「衛気」と言って、体表の血行を盛んにして、抵抗力を強める働きをします。
もう一つは、「営気」と言って、全身に栄養の補給をしています。
秋はスポーツの季節と言って、学校などで、運動会が行われますが、適度な運動をすることで、肺の働きを盛んにして、寒さに対する体力作りをしているのです。
寒くなるとすぐ風邪をひく人がいますが、これを中医学では、「衛気虚」と診断して治療いたします。
毎年、冬になると風邪をひき春が来るまで治らないと言う人がいますが、一週間程度の漢方薬の服用で、ひと冬中風邪から解放される場合もあり、不思議がられます。
花粉アレルギーや一部のアトピーの人に、「衛気虚」の状態が見られ、漢方治療が効果をあげています。
風邪をひくような体調は万病のもとになることがお分かりでしょう。
解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)