残暑お見舞い申し上げます。
夜中にも蝉の鳴き声が聞こえ、朝になると亡骸がたくさん道に落ちています。子孫繁栄の最後のチャンス、彼らも頑張っているのですね。
そう言えば最近やたら蚊に刺されるような気がします。「あっ!」と思ったら刺されていて、気が付くともう腫れて痒くなっています。ヒトの血は彼らの栄養源ですからねえ、やはり彼らも必死な訳ですから・・・などと言ってる場合じゃありません。
まず、庭仕事や外遊びのときには「虫よけスプレー」を使ってください。
手足などの露出している部分と衣服の袖口や裾部分にスプレーして下さい。首筋や顔には一度手のひらに付けてからポンポンと付けたら良いでしょう。
また、虫よけ効果は発汗などの条件によって異なりますが、夏季であれば概ね1時間間隔でスプレーして下さい。
もしも刺された時には早めの治療が必要です。
民間療法では色々なやり方が伝わっており、幾つかの(家伝的な)情報をお持ちの方もおられることでしょう。
例えば、「虫刺されにはアンモニア」とか「虫刺されにはドクダミの葉を塩で揉んで貼る」とか「蜂に刺されたらアサガオの葉のしぼり汁をつける」とか、聞いたことのある人もいるでしょう。
しかしながら、これらの方法にはほとんど効き目はありません。
『まずは冷やす!』
外出時にはできることが限られていますが、まず冷やすことです。氷があればビニール袋に入れて直接幹部に当て、ジンジンしてくるまで冷やして下さい。よく「凍傷になる」と言ってタオルとかにくるむ人がいますが、ビニール袋に入った氷水は0度以上なので絶対に大丈夫です。
その間にクスリなどを探し、あればつけておく、無ければ「どうしよう?」と考えれば良いのです。
『刺された虫による治療法』
蚊:すぐに膨れてきますが、膨らんだ部分は余り赤くならず、その周囲が赤く痒くなります。
→通常の虫刺され薬(抗ヒスタミン剤配合)で良いです。掻き壊さなければそのまま治ります。
ブヨ:すぐには腫れてきませんが、徐々に痒みが増し、刺されたところがくっきり赤く膨らみ、場合によって先端に水泡ができることがあります。
→ステロイド剤配合の外用剤を使います。一般的には1週間程度の治療が必要です。
蜂:刺されると強い痛みと灼熱感があり、広い範囲に発赤と腫脹が起こります。何度も刺されていると「アナフィラキシー」という強いアレルギー反応が起こり、非常に重い症状になるとショック状態に陥り、最悪の場合死に至ることもあります。とくに毒性の強いスズメバチの仲間には注意が必要です。
→スズメバチ(大きい蜂)に刺された時は必ず医療機関に行ってください。それ以外(小さな蜂)の場合は、まず冷却、ステロイド剤の外用剤、症状によっては抗ヒスタミン剤を内服します。
※蜂に刺されたときには、「3%タンニン酸アルコール液」で湿布すると毒が広がらず腫れが小さくてすみます。
薬局によっては用意してあるところもあります。一度聞いてみると良いでしょう。
チャドクガ:春から秋にかけて「卵」「幼虫(毛虫)」「サナギ」「成虫(蛾)」と成長しますが、その全ての時期に体毛やフン、鱗粉などが”接触性皮膚炎”の原因になり、接触後1~2時間で境界不明瞭な発赤・発疹が起こり、非常に強い痒みが起こります。掻きむしることにより付着した原因物質を手や衣服で広げてしまい、炎症部分が広範囲になってしまいます。
→大切なのは原因物質(体毛、フン、鱗粉など)を十分に除去することです。擦っても洗っても取れませんので「ガムテープ」などで丁寧に剥がし取ることです。治療には強めのステロイド配合外用剤を使います。患部が広い場合は医療機関を受診した方が良いでしょう。
そんなこと言ったって、これから夏休みの後半戦です。ケガや虫刺され、熱中症などに注意して大いに遊びましょう。