先日、約5年ぶりに来店したK君。
大きな理容室のNo、2です。
どうしたのかと聞けば「カット中に手首(甲側)が痛くなる」とのこと。
「おそらく手首の腱(尺側および橈側手根伸筋)の使い過ぎによる痛みでしょう」と伝え、簡単に自分でできる”お灸”を勧めました。使い過ぎによる関節などの痛みには意外に良く効くのです。
K君がうちに初めて来たのは10年前。
理容師の修行を始めたばかりで、両手の指がボロボロに荒れていて、まるで「崩れた明太子」状態になっていました。
「仕事を休む訳にはいかない。何とかして下さい」と言います。言葉の感じから東北出身と思える好青年でした。
多分、パーマ液や毛染め液による炎症なのですが、炎症部位が手の甲側に集中していましたので”手洗い不良”と考え、
①こまめに手を洗うこと
②必ずタオルで手を拭く、乾かすこと
③少しの間でもクスリを付けること
④寝る前にしっかり治療すること
などの指導をし、幾つかの塗り薬で治療、数か月がかりで治りました。
まあ、クスリがどうとか言う以前に、K君自身の修行によって作業手順が出来上がったのが良かったのでしょう。
5年前、今度は「風邪では無いが咳が出る。エヘン虫が取れない」といいます。
話を聞くと「後輩を指導しなくてはいけない」「苦手なんですよね」とのこと。
なるほど、ストレスですか。ベテラン(?)になると大変だねえK君。
この時は数種類の漢方薬を使いました。しばらく時間はかかりましたが治りました。
これもK君が環境や自分の立場に慣れたんでしょうね。
そして、今回5年ぶりの来店だった訳ですが、もうK君も良い感じのおじさんです。
「カット用のハサミは自分用に作っているの?K君も10年選手なんだからいいやつ作ったら」と伝えました。
K君も私も日々研鑽を続けています。「今でも修行中」なのです。