今年の夏は大変でしたね。
私は時々、地域の急病診療所のお手伝いに行くのですが、特に日曜日の夜は熱中症(脱水?)らしき子供たちが多かったですね。
夕方からぐったりして、突然吐いて、熱が出たり頭痛が起きる~だいたいこんなパターンです。
症状が重たければ点滴をしたりしますが、大抵は吐き気止め、整腸剤、熱さましが出ていました。
漢方薬だと五苓散とか生脈散あたりかなあ、などと思いながらお話をしていました。
要は「脾・胃(消化吸収)」の機能が弱り切ったために「肺」から送られるべき水分が不足して身体の熱が下げられないのです。
治療として、できるだけ速やかに水分の不足を補う必要がありますが、「脾・胃」の機能低下がベースにありますので一度に大量の水分を飲ませるとまた吐いてしまいます。
ママは頑張って診察を終えた子供にご褒美のジュースを買ってあげるのですが、吐き気が止まるまで飲むのは我慢してもらいます。
子供たちは「えっ?!なんで?」とうらめしそうな顔をしますが、しかたないんだよ~お。
さて、それでは”この夏の子供たち”です。
症例①喘息の体質改善のために黄耆建中湯を飲んでいるE君、夏休みに入るや否や入院退院を繰り返してしまいます。家族も本人も疲れ果てて相談に。「疲労困憊」「心煩」とみて柴胡桂枝乾姜湯を差し上げたところ、咳も止まり体調も楽になりました。
症例②ひどいアセモになったMちゃん、皮膚科に行ったら「何だアセモじゃないか、清潔にしなさい」と叱られた新米ママはしょんぼりしています。
まあ、昔からやってる「沐浴」をすれば良いのですが、そこでひと手間、”桃の葉”を差し上げました。
薬缶に桃の葉を一掴み、水をいれて沸かします。沸騰してから5分間くらいしたら茶こしでカスを取ってたらい(ベビー用バス)に入れ、水を足してぬるま湯を作ります。後はぱちゃぱちゃ遊ぶだけ。ただれた処には紫雲膏を付けてもらいました。
症例③「夜、何度もトイレに起きるのよ」とはNさん。え!?そんなの初めて聞いたよ。「違うのよ、久しぶりに孫が泊りにきたんだけどね、その子が・・・」との事。
Eちゃん8歳、普段から神経質な子のようなので桂枝加竜骨牡蠣湯を差し上げました。その日の夜からぐっすり眠れたそうです。
症例④Aちゃん18歳、もう子供とは言えませんが・・・、小さい頃から来ているのでね、ついでです。
耳たぶがかぶれてジクジクしていて、どうやらアクセサリーによる炎症のようです。外用剤は皮膚科で貰っていましたので荊防敗毒散を差し上げました。
これ金属アレルギーかも知れないよ、と私。「え~、もう指輪もネックレスも駄目なのお?」
いやいや、純金とかだったら大丈夫だよ。もう仕事しているんだから貯金して買いな。「うん!カレシに買ってもらう」
え~?!カレシぃ?・・・そうか、もう18歳だものねえ。こちらも年を取ったって事か。