今年は異常気象や台風の当たり年で、いわゆる「気象病」が良く見られました。
「気象病」というのは、特定の気象状況や気圧配置などによって誘発される疾患のことで、例えば”低気圧が近づくと喘息発作が起こる”という現象は良く知られています。
東洋医学では気象状況などを含めた外部環境を”外邪(六淫:風、寒、暑、湿、燥、火)として、病気の原因としています。
日本には四季がありますが、ちょうど良い季節は短く、皆さん「夏暑く冬寒い」と言われます。
特に島国日本では、周りが海に囲まれており、雨量も全国的に比較的多いため、「湿」すなわち”水毒”による疾患が多いようです。
Yちゃんは23才のOLさん、中学生の頃からアトピー、生理不順、頭痛、胃腸のトラブル、社会人になってからは人間関係ストレスと、何だかんだと相談に来られます。
実は彼女のお母さんが大の漢方・鍼灸ファンでして、一緒に来ていた娘ちゃんも自然に治療の対象になってしまいました。
最初、お母さんは”むくみ”と”身体のだるさ”を訴えて来店しました。まずは鍼灸的な診察をしてみたところ、足のすねや手指などに目立つ”むくみ”はありません。腹部はやや膨満していますが服力は中くらい、表情が冴えない感じだったので聞いてみると「月に2~3回リンパ・マッサージに行って、顔や首、背中、脇を”流してもらう”とすっきりする」との事です。
確かに頭から背中、特に首の後ろ(鍼灸で言うところの”膀胱経”)あたりに”むくみ(筋肉のコリでは無い)があります。
これらの所見に漢方的な診察を加え、竜胆瀉肝湯(一貫堂)を中心とした薬方を使ったところ次第に症状は改善しましたが、時々いろいろな愁訴があり別の薬方を加えて対応してきました。
この方は元々”水毒体質”だったのでしょう、「めまい」「耳鳴り」「のぼせ」「食欲不振」「下痢・軟便」などなど、結果的に使った薬方は殆ど”水毒”関係のものばかりです。
そして娘のYちゃん、親子なんですねえ。めまいや動悸(ストレスかなあ?)には苓桂朮甘湯、生理不順や冷え性には当帰芍薬散、胃腸トラブルには人参湯と”水毒”対応が有効なのです。
しかしねえ、最近は二日酔いの早朝、開店前にもかかわらず「飲み過ぎちゃった、五苓散ちょうだい」と電話をかけてくる”強者”になっております。
・・・・困ったものです。
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更新日: 2013/11/24 |