遅ればせながら、
名古屋国際会議場で行われた日本東洋医学会学術総会より
薬局漢方にも使えそうな話題を紹介します。

◆ がん化学療法後に遷延する全身倦怠感、食思不振、下痢、冷えなどに対しては
      漢方治療が極めて有用である。

      (聖隷浜松病院血液内科 玉嶋貞宏氏 報告)
  
     ・予防・治療に自然治癒力を高める漢方を服用することで、元気が湧いてきて
      日常生活の質が向上するのではないかという事なのでしょう。
極めて有効」と報告していることに注目。    

◆ がん大腸癌多発肝転移の肝切除術後の肝不全に
      茵蔯蒿湯合五苓散(いんちんこうとうごうごれいさん)が著効した例。
      (東京日立病院、癌研有明病院  井上美貴氏 報告)

     ・西洋医学の限界と考えられた肝不全が漢方薬の投与後に回復し、
      退院後2年の時点で健在であるという報告。
      こういうケースもあるということだから、西洋医学的見解はそれとして
      あきらめずに漢方にてトライしてみるのも一手ということでしょう。

  大病院でもうまくいかないケースで漢方で「ハマる」と
      スコンと治ってくれる場合があり
、これが 「してやったり」と、
      漢方の醍醐味のひとつでもあります。
     

 がん前立腺癌によるPSA高値がホルモン療法と四物湯(しもつとう)を先行・
      八味地黄丸を追加した支持療法にて改善したと考えられる例
     (かすみがうらクリニック 廣藤秀雄氏 報告)
  
      前立腺癌はアンドロゲンにより癌細胞が増殖する。その作用を抑制すると
      アポトーシスが誘導されて癌細胞が死滅、腫瘍が退縮する。
      そして初期効果は著しいと言われる。
      報告例はPSA高値から進行末期を疑われたが、
      幸い転移の症状や所見は認めなかった。
      PSAが激減した機序としてホルモン療法を支持・強化する目的で、
      時間差効果に配慮し先行させた四物湯が微小循環を改善して
      同剤を標的臓器へ一層有効に運搬した可能性を考える。
      さらに、ホルモン療法と同時期に追加した眠前の八味地黄丸も
      時間医学の面から宿主の癌免疫能を高める一助に寄与したと推察される。
                                      (廣藤氏考察)

    ・ 西洋医学的アプローチと漢方の併用でうまくいった例ですね。
      ホルモン剤の効果を漢方がアシストしているということなのですが、
      漢方単独でも効果がある部分もあるという事も興味深い報告でした。

                     (報告は日本東洋医学会学術総会資料より引用)
 

 報告を見てもわかるように、がんの治療に西洋医学で臨み 
 その恩恵を受けるというのは現代では当然の事と思います。

 一方、その副作用や病気による生活の質の低下の改善や
 西洋医学的治療のアシストとして
 東洋医学的診察や漢方薬は大いに効果を発揮する。
 そう思います。
 であれば、漢方・・・専門家に相談してみてください。

福田漢方 TEL0746-32-4568 
  

 

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