花粉症などのアレルギー性鼻炎が長引くことから慢性鼻炎や蓄膿症などになることがありますが、その蓄膿症の効能効果を持つ漢方薬に半夏白朮天麻湯という漢方薬があります
半夏白朮天麻湯といえば、胃腸が弱くて頭痛やめまいがする人に使うというイメージが強いかと思いますが、鼻にも作用することが認められています
そのおかげで鼻づまりにも効きますよと堂々と言えます
とは言ってもどんな鼻づまりにも効くというわけではなく、やはり条件が必要になってきます
半夏白朮天麻湯というのは、胃腸虚弱が基本で、胃腸が丈夫な人には使えません
食欲がなく、食べる量も少なく、食べれたとしても身につかないため、体は細く、見るからに栄養状態が悪い
胃腸というのは食べたものを消化吸収して気・血・水を作り出し全身に運ぶ働きをしますが、胃腸が弱いとうまく機能しません
水の動きが悪くなると、停滞して過剰にたまってしまいます
水も長く停滞していると痰のような粘性を持ったものへと変化していきます
半夏白朮天麻湯は特に胃腸の働きが悪く、水の動きが悪くなったのが原因で起こる症状に使います
水というのは重たい性質なので下へと向かいます
なので半夏白朮天麻湯の効く頭痛は、重く感じる頭痛になります
そして、水は静かな状態だと何の変化もないですが、ちょっとした振動でゆらゆらと揺れ動きますが、この水の揺れがめまいとなって現れます
さて半夏白朮天麻湯の効く鼻水、鼻づまりですが、サラサラした透明な鼻水のこともあれば、白濁したもの、黄色の少し粘っこい鼻水のこともあり、特に鼻水のタイプは決まってません
体の中の溜まった水の状態によって変わりますが、荊芥連翹湯や辛夷清肺湯を使うような強い炎症はない状態に使います
そして自力で排膿させる力がないような方です
胃腸が弱い、そして鼻水、鼻づまりとともに頭が重く感じるようになったというのが半夏白朮天麻湯を使う重要なポイントとなります
問診するときに鼻の状態だけ聞いてたら、この漢方薬はまず出てこないですね