ここ数年で、今までのものとは全く違った働き方をする糖尿病治療薬が登場しています。
私たちの学んできた「糖尿病治療セオリー」は①運動②カロリー制限③薬物療法(Ⅰ型:インスリン、Ⅱ型:スルホニル尿素剤)でした。
使われる薬剤(インスリン、スルホニル尿素剤)は何れも『低血糖』という厄介な副作用があります。
絶食(あるいは過剰な食事制限)をしてこれらの薬を使うと低血糖になってしまうので、薬の使用に合わせた厳密な食事コントロールが必要だったのです。
ところが最近、この『低血糖』を起こさないものが登場してきたのです。
●GLP-1アナログ:小腸から分泌されるインクレチンホルモンの誘導体。高血糖の時だけインスリンを分泌させ、血糖を下げる。
●DDP-4阻害薬:インクレチンホルモンの分解を阻害し、高血糖の時だけインスリンを分泌させ、血糖を下げる。
※GLP-1アンアログとDDP-4阻害薬は、血糖が下がるとインスリンが分泌されなくなるので『低血糖』が起きない
●インスリン抵抗性改善剤:インスリンの分泌を促進するのではなく、インスリンの効き目を良くする薬剤。『低血糖』は無い。
●SGLT-2阻害薬:この薬は余分な血糖を尿で排泄して血糖値を下げます。上のものとは異なり『低血糖』の可能性はありますが、食事のコントロールが難しい人(例えば付き合いの多い営業の人とか)が使うには良さそうです。
ただし、基本は①有酸素運動(スイミング、ウオーキングなど)を1日30分以上②生活の質に合わせたカロリー(1日2000㎉ぐらい)③食品素材は30種以上、バランス良く です。
生活習慣を見直して下さい。最近の薬物療法は副作用も少なく、安心して行うことができますが、糖尿病は決して薬だけでは治りません。