漢方薬の名前には「へえ~」とか「え~?」とか言うやつが結構あります。
例えば”補中益気湯”。
中(消化器系)を補い、気(元気)を益す、って言うんですから何にでも効きそうです。
でも、そうでもありません。
あるいは”女神散”。
女性の神様の薬なんですから、万能の婦人薬かと言えばそんなことは無い。
本来は「神の如き」で”如神散”と言って、いわゆる「ノイローゼ」のような状態に、男性にも使われる薬です。
お恥ずかしい話ですが、実は”疎経活血湯”っていうのも長年名前に惑わされていた薬方でして、何となく「血の巡りが悪くて痛みのある症状」に使うものと考えて、余り積極的に使ったことはありませんでした。
ところが最近、夏バテで「身体が重だる~い」というどこかのビタミン剤のCMみたいな方に使ったところ以外に良く効いて、こっちが驚きました。
まあ薬味構成から見て、夏のエアコン、冷食による「血虚」と、これに付随する「水毒」によって引き起こされた身体の痛み(重だるさ)と考えれば、まさに”疎経活血湯”じゃありませんか。
しかし、この歳になってこんなことに感動している私もなんだかなあ~?
ではまた。