私がまだ駆け出しのころの話。
ある日、大変スタイルのいい若い女性が相談に来られた。
モデルの仕事をしているが、ニキビが出て困るので
なんとかしてほしいとのこと。
仕事にかかわる事なのでたかがニキビといえど本人にとっては大問題だ。
当時の詳しい処方は忘れたが、師匠はある煎じ薬を出した。
ところがこの処方、良薬口に苦しを地で行くような成分だったので、
投薬時、「お薬は苦いかもわかりませんが、我慢して服用してください。
良薬口に苦しです。」みたいなことを言ったように思う。
それから一カ月後、再び来られた時は、
ビックリするほどきれいになっていて
苦いお薬と言われましたが、私は全然苦く感じなかったです。
全く抵抗なく飲めました。」というではないか。
さらに、
「あんまりきれいになったので、家族がびっくりして
我も我もと飲んでみると、苦くて飲めたものでない。
よくもまあ、こんな苦いお薬を飲めるなあと感心されました。」
というのだ。
お薬が合うとはこういことをいうのだなあと思った瞬間だった。
漢方薬が合う=良薬口に美味しいのかもしれない、ですね。

 

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