骨量が減少すると骨折の恐れがあり、骨折すれば寝たきりになってしまう高齢者が多くいます。
でも、骨量減少で本当に怖いのは骨折ではありません。
骨を作り出す細胞から出される物質にオステオカルシンという物質がありますが、オステオカルシンは、骨の中から血管を通じて全身に届けられ、「記憶力」「筋力」さらには「生殖力」まで若く保つ力があります。
オステオカルシンがないマウスでは、位置を記憶する能力が衰えたり、精子の数が半分近くまで減少してしまうことが実験で確認されています。
つまり、骨を作る細胞が、若さを生み出す驚きのパワーを持っていることが、最新の研究で明らかになっています。
また骨を作り出す細胞から出される物質にオステオポンチンという物質があります。
オステオポンチンが減少すると骨盤内で生まれる免疫細胞の量が低下し、免疫細胞の量が減少すれば、免疫力が下がり、肺炎や癌といった病気を引き起こすリスクがあります。
骨の細胞に十分な刺激をかけない生活を続けることのリスクは骨量不足だけでなく、全身の老化を進めてしまうことになります。
意識的に運動をして骨に刺激を与えてあげることで、骨量を上げることができます。
そうすれば、骨を作り出す細胞が活性化され、若さを生み出す物質のパワーで、体全体の機能を若く健康に保つことも期待できます。
骨は単に体を支える棒っきれではなく、活動的に動く体を応援してくれる、そんな仕組みを備えた立派な臓器だと言えるのではないでしょうか?