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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

1.月経不順の病理病態

 月経不順は出血を伴う症状なので、 「血(チ)の道症」と称されています。この血(チ)は漢方医学の(ケツ)の循環や機能失調の関与が大きいことも意味しています。そのため、
の循環の不調(オ血オケツ)を調整する川キュウ(センキュウ)や牡丹皮(ボタンピ)
の機能の不足(血虚ケッキョ)を調整する当帰(トウキ)や地黄(ジオウ)や芍薬(シャクヤク)を含む漢方方剤の適応になります。

 これらのの調整薬を含む温清飲(ウンセイイン)と十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)に関しては、血の道症(3)月経不順(2)を参照してください。

2.月経周期が定まらない(乱れる)

 月経周期が「早くなったり遅くなったり」と乱れる(定まらない)場合には、(ケツ)の循環や機能失調に加えて、精神的ストレスによるイラダチ、冷えのぼせ、気うつ感、不安感、不眠を伴うことが多いようです。これらの精神神経症状症状には気滞(キタイ)の病理が関係しますので、柴胡(サイコ)や香附子(コウブシ)などの理気薬(リキヤク)の適応になります。

 このような心理社会的因子(ストレス)の関与の大きな月経不順は、心身の調和を図る漢方医療に適した領域です。

3.加味逍遙散(カミショウヨウサン)・・・月経周期の乱れを調整

 加味逍遙散は、精神不安やいらだちなどの 精神神経症状を伴い、周期の乱れる月経不順に用いられます。

 本方は10種類の生薬を含みますが、その中での失調を調整する生薬は、
 ・抑うつ感や焦燥感や不眠などの流れの停滞に由来する症状を調整する理気(リキ)薬の柴胡(サイコ)と薄荷(ハッカ)と山梔子(サンシシ)、
   ・皮膚の乾燥や手足の冷えなどの機能不足に由来する症状を軽快する補血(ホケツ)薬の当帰(トウキ)と芍薬(シャクヤク)、
 ・冷えのぼせ、頭痛、月経痛などの流れの失調に由来する症状を調整する活血(カッケツ)薬の牡丹皮(ボタンピ)です。

 加味逍遙散は、冷えのぼせ月経前症候群(PMS: Premenstrual syndrome )の神経症にも適します。

4.キュウ帰調血飲(キュウキチョウケツイン)・・・月経周期の乱れを調整

 キュウ帰調血飲は13種類の生薬を含みますが、その中で精神不安定や抑うつ感など気滞(キタイ)を軽減する生薬は香附子(コウブシ)、烏薬(ウヤク)、陳皮(チンピ)、川キュウです。香附子烏薬は月経痛の軽減にも寄与し、陳皮は胃腸機能も調えます。

 キュウ帰調血飲(キュウキチョウケツイン)の処方名は、川キュウ(センキュウ)と当帰(トウキ)を主薬としての流れと機能を調整することに由来します。疲労感や不安感など体力と気力の低下した人の月経の乱れを調える方剤です。

 本方はの流れを調整する牡丹皮(ボタンピ)と益母草(ヤクモソウ)も含みます。とくに益母草は、月経痛や月経時の浮腫を軽減する血の道症の専門薬です。

5.加味逍遙散とキュウ帰調血飲の使いわけ

 加味逍遙散は、イラダチ、冷のぼせと、気うつ感、不眠など多様な症状が多様でいろいろと変化する人の月経周期が早くなったり遅くなったりする場合に使用されます。

 キュウ帰調血飲は、体力気力の低下が著しく、冷え症や貧血傾向や抑うつ傾向の人の月経周期の乱れに用いられます。  本方は産後の体力低下(気血の不足)に伴う抑うつ感や神経症にも適します。

~ちょっと一言:基礎体温の管理と婦人科受診

 月経不順は内分泌疾患でもあります。月経不順ではまず、基礎体温をチェックしてください。高温期と低温期がはっきりと分かれているか、高温期の体温が低い場合や、高温期が短い場合は無排卵の可能性があります。

 多嚢胞性卵巣のような疾患の有無や、卵巣機能の低下による女性ホルモン不足や甲状腺ホルモンなどを検査で確認することが必要です。婦人科で相談してください。

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