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漢方薬名の意味

1.柴胡清肝湯 (サイコ セイカントウ)の謂われ・・・柴胡(サイコ)で(カン)の熱を清める

 柴胡清肝湯(サイコ セイカントウ)は、(カン)の熱性の病態を、柴胡(サイコ)とその他の配合生薬でめる(冷やす)方剤です。

 (カン)は、精神状態を安定させ、筋肉の緊張を維持する機能を担う漢方医学の五臓(ゴゾウ)のひとつです。熱性の病態は、顔面紅潮、焦燥感、怒り、いらだち、興奮、情緒不安定、頭痛、不眠などです。

 柴胡(サイコ)はの機能を調える生薬(疏肝薬 ソカンヤク、理気薬 リキヤク)です。

 には、「きよめる、きれいに整理する、さわやかにする、冷たくする(冷やす)」などの意味があります。

2.柴胡清肝湯 (サイコ セイカントウ)の適応・・・湿疹皮膚炎、扁桃炎

 柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)は、肝気の停滞による情緒不安定、夜泣き、ひきつけなどの「疳の虫(神経過敏)」症状を持つ虚弱児の体質改善薬として創案されました。

 その後、本方はこのような症状を伴う耳、鼻、咽および皮膚の慢性反復性の炎症を軽減する目的で用いられるようになりました。とくに、掻くと皮膚がフケのようにポロポロと剥げ落ちる乾燥傾向の皮疹に適します。

3.柴胡清肝湯 (サイコセイカントウ)の配合生薬

 柴胡清肝湯には配合生薬の異なる同名の方剤があります。日本で使用されているのは一貫堂(イッカンドウ)経験方といわれる15種の生薬を組み合わせた日本の規格の方剤です。

 柴胡清肝湯は、温清飲(ウンセイイン)の8生薬を含みます。温清飲は、
  ・のぼせや化膿性皮膚炎に用いる黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)と
  ・色つやの悪い乾燥皮膚を潤す四物湯(シモツトウ)を組み合わせた方剤です。

 柴胡清肝湯は、温清飲の効果を強化するために、
  ・体表部の炎症を抑える柴胡(サイコ)、連翹(レンギョウ)、牛蒡子(ゴボウシ)
  ・乾燥傾向を潤す栝楼根(カロコン)などを加味した方剤です(図2)。

 なお、温清飲に関しては、
   漢方薬名の意味(3.温清飲)
   血の道症(3)月経不順(2)を参照してください。

4.栝楼根(カロコン)と連翹(レンギョウ)

 柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)の主薬は、柴胡(サイコ)と本方の基本となる温清飲(ウンセイイン)に含まれる黄連(オウレン)と当帰(トウキ)も主要な配合生薬と考えられています。

 さらに本方に特徴的な生薬は、栝楼根(カロコン)と連翹(レンギョウ)です(図3)。

 栝楼根(カロコン)は、キカラスウリの皮を除いた根です。体液の不足した乾燥状態を潤し、口渇や粘稠性の喀痰、化膿性炎症の膿や腫れを軽減する生薬です。

 なお栝楼根瓜呂根とも記載されます。(中国では天花粉と称されています)

 連翹(レンギョウ)は、レンギョウの果実です。皮膚など体表部の慢性炎症や化膿症を抑え腫れを軽減する生薬です。

5.柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)の関連方剤・・・荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)は、柴胡清肝湯と同様に、温清飲(ウンセイイン)を含む方剤です(図4)。

 荊芥連翹湯は、皮膚が浅黒くて慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性中耳炎および乾燥した部分と化膿した部分を含むにきび、湿疹皮膚炎に用いられます。炎症は上半身(とくに頭や顔、鼻)に多いようです。本方に関しては にきび を参照して下さい。

 柴胡清肝湯は、慢性扁桃炎や乾燥した部分と化膿した部分を含む湿疹皮膚炎に用いられます。炎症は顔や上半身(胴体)に及びます。

~ちょっと一言:柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)の応用

 柴胡清肝湯は、神経過敏傾向の虚弱小児に発現する反復性の鼻炎・副鼻腔炎、扁桃炎、湿疹皮膚炎の治療方剤として創案されました。現代では成人の皮膚疾患にも用いられています。

 苦味と特徴的な臭いがあり飲みにくい薬です。

 本方はいわゆる慢性の疾患に、いわゆる体質改善薬として用いられることが多く、継続して服用し、数週間単位で効果や不具合を観察してください。

 食が細く胃腸虚弱の人や、冷え症や寒がりで冷たいもので胃腸障害を起こしやすい人には補中益気湯(ホチュウエッキトウ)を併用すると良いでしょう。

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