漢方を知る

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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

1.尿路結石・・・腎臓から尿道にかけての結石

 尿路結石の多くは腎臓で形成され尿管に降りてきます。結石症では、排尿時の痛み、頻尿や時には尿に血が混じります。また下腹部や脇腹から背中にかけての突然に生じる激しい痛み(疝痛センツウ)も伴います。

 尿路結石症の治療は、図1に示すように、
 ・小さな結石は薬物で痛みを止めると同時に尿路の通路を広げて石を排出しやすくします。
 ・大きな結石では、除去手術や体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で細かく粉砕してから、
   排石を促進する薬物を使用します。
 漢方製剤は小さい結石の排石促進薬や利尿薬に相当します。

2.猪苓湯(チョレイトウ)・・・尿路結石症に伴う排尿不快感を軽減する基本方剤 

 猪苓湯(チョレイトウ)は、尿路結石に伴う排尿痛や排尿困難などの排尿時の不快感に用いられます。

 排尿時の痛みを伴う時には本方に芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)が併用されます。
 なお結石症の激しい痛みには西洋薬の鎮痙鎮痛薬や消炎鎮痛薬を併用することが多いようです。

 医療用の猪苓湯製剤では排石促進効果が認められています。また体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の後に排石を促進するために猪苓湯製剤を服用するという組み合わせ療法も行われています。

3.猪苓湯(チョレイトウ)の配合生薬

 猪苓湯(チョレイトウ)は、チョレイマイタケという菌から調製した猪苓(チョレイ)をはじめ5種類の生薬を含む方剤です。

 配合薬の猪苓、茯苓(ブクリョウ)、沢瀉(タクシャ)と滑石(カッセキ)が利尿作用を担っています。結石に伴う炎症や出血には阿膠(アキョウ)と滑石(カッセキ)が寄与しています。

 なお、猪苓湯は尿路結石以外に各種の排尿異常や残尿感に用いられます。排尿異常の漢方(1.前立腺肥大症)を参照してください。

4.五淋散(ゴリンサン)・・・排尿痛の強い結石症や膀胱炎

 五淋散(ゴリンサン)は猪苓湯(チョレイトウ)の適応病態より尿の色が濃く、排尿時の痛みも強い状態に適します。
 右の配合生薬を比較した図で、赤い字の生薬は炎症の強い状態(熱証ネツショウ)に適する生薬であることを示しています。

 漢方用語の(リン)は尿意が強く、排尿痛や残尿感があり、尿路や脇腹背中などの痛みを伴う症状群のことです。現在の尿路結石、膀胱炎、尿道炎などに相当します。

5.芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)・・・結石症の痛みを軽減

 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)は、痛みの激しい時に猪苓湯五淋散と併用されます。痛みが続いている間に数時間おきに頓服(トンプク)するとよいでしょう。西洋薬の鎮痙鎮痛薬に相当します。

 なお、芍薬甘草湯は漫然と長く服用しないでください。むくみや血圧上昇などの副作用があります。

6.民間薬ウラジロガシ・・・排石を促進するためにお茶として飲む

 ウラジロガシは本州、四国、九州に自生する「どんぐり」のなるカシの木です。葉の裏が白いことからウラジロガシと言われます。
 その葉は民間薬として尿路結石に用いられています。一日分30gを600mlの水に入れ、15分間弱火で煮出し、お茶がわりに何回かに分けて飲みます。「はいせき茶」とも称されています。

 ウラジロガシの葉には、結石形成抑制作用、結石排出促進作用、利尿作用、消炎作用のあることが報告されています。
 なお、ウラジロガシの葉から抽出したエキスは医療用の「ウロカルン」という商品名で尿管結石の排石促進薬として使用されています。

~ちょっと一言:尿路結石は夜に作られる

 尿路結石ができる原因は明らかになっていませんが、水分の補給がなく、尿が濃縮される夜間に出来やすいことがわかっています。
 夕食と就眠までの時間を確保し、夕食後に水分を十分摂取する ことが結石形成の予防になります。
 なお、牛乳とほうれん草の過食に注意しましょう。牛乳にはカルシウム、ほうれん草にはシュウ酸が含まれており、シュウ酸カルシウムの結石が増えるおそれがあります。

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