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漢方薬名の意味

1.啓脾湯(ケイヒトウ)の謂われ・・・脾(ヒ)を啓(ヒラク)

 啓脾湯(ケイヒトウ)の名前は、(ヒ)の機能を開くという効能を示しています。

 啓という字は、開く(開通させる、力を与える、活性化する)という意味です。拝啓という言葉は、拝して(丁寧に頭をさげながら)口を啓く(申し上げる)ことです。

 は、食べ物から栄養分やエネルルギーを取り込む消化吸収を担う漢方医学の五臓の一つです。

 に関しては漢方薬名の意味(4)帰脾湯にも解説していますので参照してください。

2.啓脾湯の適応・・・胃腸虚弱で血色が悪く、疲労感、下痢傾向を軽減

 啓脾湯は、体力虚弱(胃腸虚弱、消化不良)で、痩せて顔色が悪く、食欲がなく、下痢の傾向がある場合の慢性胃腸炎、下痢に用いられます。

 啓脾湯は、疲労感と食欲不振と軟便下痢(冷房下痢)を伴う夏ばてにも用いられます。 熱中症・夏ばて(2.夏ばて)を参照してください。

3.啓脾湯の配合生薬

 啓脾湯(ケイヒトウ)は、胃腸虚弱を調整する補気剤の(ホキザイ)の四君子湯(シクンシトウ:人参 ニンジン、白朮 ビャクジュツ、茯苓 ブクリョウ、甘草 カンゾウ)の関連方剤です。

 本方は胃腸機能を調える生薬が多く含まれていますが、とくに山薬(サンヤク)と蓮肉(レンニク)を含むことが特徴です

4.啓脾湯の関連方剤

 参苓白朮散(ジンリョウビャクジュツサン)は、図3に示すように啓脾湯(ケイヒトウ)の関連方剤です。両方剤はともに胃腸虚弱、食欲不振、消化不良、下痢傾向に対してほぼ同様に用いられます。

 六君子湯(リックンシトウ)の配合生薬も啓脾湯と類似しています。六君子湯は食後の胃もたれ、嘔気などの上腹部の症状を目標に用いられます。

 六君子湯は、機能性ディスペプシアの食欲不振や上腹部膨満感に用いる基本方剤です。ストレス胃(3.胃もたれ)を参照してください。

~ちょっと一言:啓脾湯の応用

 啓脾湯は、体力の低下した人(やせた胃腸虚弱者)の、気力の低下、消化不良、食欲不振、軟便(泥状便)、下痢(とくに冷えによる下痢、夏ばてに伴う冷房下痢)に用いられます。

 冷え症を伴う場合には、人参湯(ニンジントウ)や真武湯(シンブトウ)が併用されます。

 腹痛を伴う場合は、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)が短期間併用されます。

 嘔気や気うつ感を伴う場合は、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)が併用されます。

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