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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

夏かぜの漢方

(1)胃腸症状
(2)口腔の症状


1.夏かぜと冬かぜ

 6月から10月頃のかぜ(感冒様症候群)は夏かぜといわれます。夏かぜの症状・病態は寒い時期に流行する冬かぜと少し異なります。

 夏かぜと冬かぜの症状が異なる理由:
 1)原因ウイルスの相違: 図1に示したように夏かぜの原因となるウイルスの 「アデノ」とは「喉(のど:扁桃腺)」、「エンテロ」とは「腸」を意味しこのウイルスは腸管内で増します。 そのため夏かぜには、のどの痛みと嘔気、腹痛、下痢を伴うことが多いのです。

 2)環境と体調の相違: 蒸し暑い夏は、過度の冷房や冷たい物の過食によって胃腸機能が低下し夏ばて状態になっています。この状態でかぜをひくと食欲不振などを伴う胃腸かぜになります。

2.夏かぜの漢方医療の概要

 夏かぜの漢方医療では、冬かぜを治療する時以上に胃腸症状に配慮して漢方方剤を選びます。

 ここではまず、カッ香正気散(カッコウショウキサン)や参蘇飲(ジンソイン)など夏の胃腸かぜに用いられる方剤を紹介します。

3.カッ香正気散(カッコウショウキサン)・・・食欲不振、下痢気味を伴う夏かぜに

 カッ香正気散(カッコウショウキサン)は、夏ばて症状(食欲不振、嘔気、下痢、全身が重くだるい)を伴う夏かぜに用いる基本方剤です。

 方剤名にある正気(ショウキ)は、生命維持活動や抗病力や恒常性維持機構などに相当する漢方用語です。本方はこれを調えることを示しています。

 カッ香正気散の主な配合生薬は、かぜに特徴的な頭痛や寒けを軽減するカッ香(カッコウ)と蘇葉(ソヨウ)です(図3)

 さらに本方には、嘔気や食欲不振を軽快する半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、生姜(ショウキョウ)、茯苓(ブクリョウ)、甘草(カンゾウ)という5生薬からなる二陳湯(ニチントウ)も含まれています。

4.参蘇飲(ジンソイン)・・・食欲不振、悪心、咳嗽を伴う夏かぜに

 参蘇飲(ジンソイン)は、人参(ニンジン)と蘇葉(ソヨウ)を主薬とする方剤です。かぜの症状(寒け、発熱、頭重、痰、咳)が明瞭でなく、食後の胃のもたれやむかつきなど胃腸症状を伴う夏かぜに適します。

 本方は冬かぜによる長引く咳にも用いられます。かぜの漢方(3.長引く咳)を参照してください。

 参蘇飲カッ香正気散の配合生薬は、蘇葉(ソヨウ)と桔梗(キキョウ)や二陳湯(ニチントウ)の主な生薬を含む点で似ています(図4)。

5.胃腸症状を伴う夏かぜの経過(病期)と漢方方剤

 かぜの漢方医療では、症状の経過に応じて漢方方剤を使い分けます。

 夏かぜで悪寒・発熱を伴う場合は、冬かぜと同様に葛根湯(カッコントウ)や小青竜湯(ショウセイリュウトウ)のような麻黄剤(マオウザイ)も用います。

 しかし、夏かぜでは胃腸症状を伴うことが多いので、これらの麻黄剤の使用は数日に止めて、微熱、嘔気、食欲不振を伴うかぜに適する柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)を早期から用います。

 体力が低下し食欲不振などの胃腸症状が顕著な夏かぜでは、カッ香正気散(カッコウショウキサン)や参蘇飲(ジンソイン)を、急性期から亜急性期にかけて使用します。吐き下しがあれば、五苓散(ゴレイサン)や胃苓湯(イレイトウ)を併用することもあります。

 夏かぜがこじれて長引き、倦怠感・だるさが顕著になれば冬かぜと同様に補中益気湯(ホチュウエッキトウ)で体力の低下を補います(図5)。

 なお、かぜ(冬かぜ)に用いる漢方方剤に関しては、かぜの漢方(2.急性期の諸症状)を参照してください。

~ちょっと一言:胃腸症状を伴う夏かぜの養生

 夏の蒸し暑さは避けられませんが、日頃からの養生によって胃腸への影響を軽くすることはできます。冷たい物の摂り過ぎ、クーラーのつけ過ぎを改め、豆腐など消化のよい食材に考慮した食事、早寝早起きなどで夏ばてを予防してください。

 温かい食物を摂る方が望ましいのですが、夏は冷やそうめんだけですますことが多くなります。そうめんだけでは、糖質のみに偏るので、以下の様な工夫をしてください。

 ◎トッピングして食材を増やす。
   青シソ(大葉)やきゅうり(胡瓜)、トマト、錦糸卵、しいたけ(椎茸)をトッピングし、出汁に薬味のネギやしょうが(生姜)や海苔やごま(胡麻)などを加えて食材を増やすとよいでしょう。

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