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病気の悩みを漢方で

漢方医療とは

1.「病気の悩みを漢方で」の狙い

 この「病気の悩みを漢方で」は、一般の方が漢方医療や漢方処方(漢方製剤)を適正に利用するために必要な、漢方医療の考え方や受診の仕方などの基礎知識を解説します。

2.漢方エキス製剤:一般用と医療用

 漢方処方には煎じ薬(煎剤)とエキス製剤があります。漢方エキス製剤には、セルフメディケーション(自己管理治療)で使用される一般用漢方製剤と、保険診療で医師が診断してから使用する(処方する)医療用漢方製剤があります。

 この連載では、主に「生活を支える医療」で使用される一般用漢方製剤を適正に利用する情報を紹介します。

3.西洋科学医療と漢方医療

4.疾患(disease)と病気(悩み:ill feeling)

 このシリーズの表題を病名ではなく「病気の悩み」としているは、漢方は西洋医学の病名ではなく、患者さんの悩み・苦悩・苦痛に対処する医療だからです。

 患者さんは、疾患と病気(悩み)の二つを持っています。

  • 疾患は、検査で客観的に察知できる病変です。英語のdiseaseです。
  • 病気は、痛い、かゆい、イライラする、疲れるなど検査にあらわれない主観的な悩みや苦しみです。英語ではill feelingといいます。

 病変の軽微な疾患に伴う「病気」が一般用漢方製剤の適応になります。病変の重篤な疾患には西洋科学医療で対処することが適切です。このように科学と伝統医療の特質を理解して互いに組み合わせることが大切です。

 このことを疾患(前立腺肥大)と病気(排尿異常や残尿感)を例にして以下に図示します。

5.一般用漢方製剤を適正に使用するために

 現代の日本において漢方製剤を適正に使用するためには、三つの視点があります。

1)現代の医療科学的に適正か? 手術や抗生物質、ステロイド剤、抗がん剤などの西洋の医療科学の成果を踏まえた現代医療の中で、漢方製剤を適正に使用するという視点が必要です。

2)現代の医療制度的に適正か? 医療は安全性を確保するために行政による規制があります。この規制は添付文書に記載されています。用法用量などを逸脱しないように適正に利用することが大切です。

3)漢方医学的に適正か? 漢方医学には西洋医療科学とは異なる診察や診断と治療原則があります。上記の1)と2)を踏まえて、漢方の伝統を活用することが望まれます。

 この総論では、漢方薬局における漢方医療を中心にして紹介していきます。


病気の悩みを漢方で

谿 忠人 先生

大阪大学薬学部卒・同大学院薬学研究科修了

  • 大阪大学薬学部・助手 (生薬材料学と生薬化学)
  • 近畿大学東洋医学研究所・講師・助教授 (臨床漢方薬学)
  • 住友金属工業(株)未来技術研究所・医薬研究部長 (創薬研究)
  • 富山大学和漢医薬学総合研究所・教授 (資源科学と漢方医療薬学)
  • 大阪大谷大学薬学部・教授 (漢方医療薬学)
  • 平成24(2012)年3月に大阪大谷大学を定年退職。
  • 大阪大谷大学名誉教授。
  • 日本東洋医学会名誉会員、和漢医薬学会名誉会員。
谿 忠人先生のプロフィール
谿 忠人先生

漢方医療とは

症状と漢方薬

(あ行)
RSウイルス
足腰の衰え(虚弱)
足のむくみ
アトピー性皮膚炎
アルコール性肝炎
アルツハイマー型認知症
アレルギー性鼻炎
胃食道逆流症
胃腸かぜ
胃腸虚弱
胃腸虚弱(高齢者)
胃腸虚弱(フレイル)
胃痛
胃もたれ
意欲の低下
意欲低下(虚弱)
イライラ
イライラ(産後)
インポテンツ
ウイルス肝炎
うつ感
運動器症候群
円形脱毛症
おしっこの悩み(前立腺肥大)
(か行)
顔色不良(虚弱)
過活動膀胱
過換気症候群(過呼吸)
霍乱
かぜ(風邪)
肩・首筋のこり
過敏性腸症候群
下部尿路症状
花粉症
がん
かんしゃく
関節痛(冷え症)
関節リウマチ
感染性胃腸炎
乾燥肌
肝臓病
気うつ
気うつ(産後)
気管支炎
機能性ディスペプシア
虚労
起立性調節障碍
緊張型頭痛
筋肉減少症
軽度認知障碍
月経周期の乱れ
月経痛(冷え症)
月経痛(冷えのぼせ症)
月経不順(周期の長短)
月経不順(血の道症)
月経前症候群(PMS)
げっぷ
下痢
下痢(ゲンノショウコ)
高血圧
高血圧傾向(虚弱)
高血糖
好酸球性副鼻腔炎
口内炎
後鼻漏
高齢者
五十肩
呼吸困難(COPD)
こじれた咳(感冒)
骨粗鬆症
子どもがほしい
こむら返り
コロナ後遺症
(さ行)
サルコペニア
産後の回復不全
残尿感(前立腺肥大)
CFS(慢性疲労症候群)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
湿疹
脂肪肝
しもやけ
しゃっくり
主婦湿疹
暑気あたり
女性不妊
自律神経失調症
脂漏性湿疹
尋常性乾癬
尋常性ざ瘡
頭重感
頭痛
頭痛(しめつける痛み)
頭痛(低気圧)
頭痛(婦人更年期障碍)
ストレス胃
生理痛(冷え症)
生理痛(冷えのぼせ症)
生理不順(血の道症)
精力低下(男性)
せき(咳)
咳(こじれた感冒)
脊柱管狭窄症
喘息
喘息(発作)
喘息(寛解)
前立腺肥大
GERD
(た行)
たん(痰)
男性更年期障碍
男性不妊
蓄膿症
血の道症
チック
痛風
手足口病
手足のしびれ(糖尿病)
低気圧頭痛
天気痛
動悸
凍瘡
糖尿病
(な行)
内臓脂肪症候群(糖尿病)
ながびく咳(感冒)
夏かぜ
NASH
夏バテ
夏やせ
2型糖尿病
にきび
尿意切迫
尿失禁
尿路結石
尿路不定愁訴
妊娠力をつけたい
認知症
脳血管性認知症
熱中症
脳梗塞と脳出血
のぼせ感
ノロウイルス下痢
(は行)
肺気腫(COPD)
排尿異常
鼻アレルギー
鼻かぜ
鼻づまり
鼻水
非アルコール性肝炎
冷え症
冷えのぼせ症
鼻炎
皮膚炎
皮膚瘙痒症
肥満
肥満(糖尿病)
疲労感
頻尿
PMS(月経前症候群)
不安定膀胱
プール熱
腹痛
副鼻腔炎
婦人更年期障碍
不眠
不眠(産後)
フレイル(虚弱)
ヘルパンギーナ
変形性膝関節症
片頭痛
便通異常
便秘
膀胱結石
(ま行)
マタニティー・ブルー
慢性胃炎
慢性気管支炎(COPD)
慢性の咳(COPD)
慢性疲労症候群(CFS)
慢性閉塞性肺疾患
むくみ(足のむくみ)
無月経
胸やけ
メタボ肥満
メタボリック・シンドローム(糖尿病)
めまい
めまい(婦人更年期障碍)
(や行)
夜間頻尿
やせと栄養失調
腰痛
抑うつ感
抑うつ感(虚弱)
夜泣き
(ら行)
冷房下痢
老年症候群
ロコモ

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