漢方を知る

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漢方薬名の意味
(1)安中散(アンチュウサン)
(2)温経湯(ウンケイトウ)
(3)温清飲(ウンセイイン)
(4)帰脾湯(キヒトウ)
(5)啓脾湯(ケイヒトウ)
(6)建中湯類(ケンチュウトウ ルイ)
(7)五積散(ゴシャクサン)
(8)牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)
(9)柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)
(10)三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)
(11)滋陰降火湯(ジインコウカトウ)
(12)四逆散 (シギャクサン)
(13)十全大補湯 (ジュウゼンタイホトウ)
(14)潤腸湯 (ジュンチョウトウ)
(15)小青竜湯 (ショウセリチュウトウ)
(16)消風散 (ショウフウサン)
(17)辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
(18)清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
(19)清暑益気湯(セイショエッキトウ)
(20)清心蓮子飲(セイシンレンシイン)
(21)清肺湯(セイハイトウ)
(22)疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)
(23)大建中湯(ダイケンチュウトウ)
(24)大承気湯(ダイジョウキトウ)
(25)竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)
(26)調胃承気湯(チョウイジョウキトウ)
(27)通導散(ツウドウサン)
(28)桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)
(29)二陳湯(ニチントウ)

1.二陳湯 (ニチントウ)の意味・・・二陳(陳皮と半夏)を主薬とする方剤

 二陳湯(ニチントウ)の二陳は、陳久な(古い)ものが良いとされる半夏(ハンゲ)と陳皮(チンピ)のことです。この2生薬は生姜(ショウキョウ)と組み合わせて使用されます(図1)。

 陳皮は陳久の橘皮(キッピ:ウンシュウミカンの仲間の果皮)に由来し、現在の陳皮は、採取後約1年間乾燥させたウンシュウミカンの果皮から調製されています。

2.二陳湯の適応・・・悪心(吐き気)、嘔吐、胃部不快感

 二陳湯は、吐き気、嘔吐、胃もたれ、頭重感などの二日酔いに類似した症状と、めまい、動悸、さらに喀痰を伴う咳嗽に用いられます。
 これらの症状は、痰飲(タンイン)や日本漢方の胃内停水(イナイテイスイ)に由来し、主薬の陳皮半夏の適応となる病態です。

3.二陳湯の配合生薬

 二陳湯は、吐き気、嘔吐、胃もたれを軽減する化痰剤(ケタンザイ)の基本とされる方剤です。処方中に、
 ・小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ:図2の中央の3生薬)や
 ・橘皮湯(キッピトウ:橘皮陳皮生姜 ショウキョウ)を
含みます。

4.吐き気、胃もたれに用いられる二陳湯の関連方剤

4.1) 六君子湯(リックンシトウ)は、二陳湯人参(ニンジン)などの3種の補気薬(ホキヤク)を配合した方剤です(図3)。
 本方は、胃腸虚弱、胃もたれ、吐き気などの上腹部症状のある機能性ディスペプシアに対する第一選択薬剤です。
 本方に関しては、機能性ディスペプシアの漢方フレイル(虚弱)の漢方(2.胃腸虚弱)を参照してください。

4.2) 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)は、二陳湯を構成する小半夏加茯苓湯の3生薬に理気薬(リキヤク)の蘇葉(ソヨウ)と厚朴(コウボク)を加えた方剤です。
 抑うつ感、不安感、咽喉・食道部の異物感動悸、めまいを伴う吐き気や胃もたれや咳嗽に用いられます。
 本方に関しては、胃食道逆流症の漢方(3.半夏厚朴湯ほか)を参照してください。

5.咳嗽に用いられる二陳湯の関連方剤

5.1) 竹筎温胆湯(チクジョ ウンタントウ)は、二陳湯に、竹筎(チクジョ)、桔梗(キキョウ)、麦門冬(バクモンドウ)など咳や痰を軽減する生薬で構成されています(図4)。
 本方は、気分がさっぱりせず、感冒が長引き、咳嗽や夜間の咳き込みによる不眠に使用されています。
 本方は、漢方薬名の意味(25.竹筎温胆湯)を参照してください。

5.2) 参蘇飲(ジンソイン)は、かぜの症状(寒け、発熱、痰、咳)が明瞭でなく、胃のもたれやむかつきなど胃腸症状を伴う夏かぜに用いられます。
 本方は、竹筎温胆湯の適応より体力が低下し冷え症傾向の人に適します。

 本方は、胃腸かぜ、夏かぜに用いられる藿香正気散(カッコウショウキサン)の関連方剤です。胃腸かぜの漢方を参照してください。

ちょっと一言:その他の二陳湯関連方剤

以下の3方剤にも二陳湯が含まれています。

五積散(ゴシャクサン) 頭痛、冷え症、腰痛、感冒、胃腸炎、婦人更年期
  障碍など慢性に経過する多様な症状に用いられます。
釣藤散(チョウトウサン) 中高年の高血圧随伴症状(頭痛、のぼせ、めまい、
  肩こり)に頻用されます。
  めまいの漢方(3.頭痛、頭重感)を参照してください。
二朮湯(ニジュツトウ)は、冷え症傾向の人の肩こりや上腕のしびれや
  痛みに適します。
  漢方薬名の意味(22.疎経活血湯)を参照してください。

(2019年7月25日公開)

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