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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

糖尿病の漢方

1.2型糖尿病の病態と治療の概要

 2型糖尿病は、メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)を経て発症します。その病態には、インスリン抵抗性が関わっています。インスリン抵抗性は、血液中のインスリン濃度に見合った血糖降下が得られず、血糖値が下がりにくい状態のことです。インスリン感受性の低下とも言います。

 この高血糖を改善するために各種の治療薬が開発されてきました。血糖管理は西洋薬の領域だと考えられます。もちろん飽食などの生活習慣の見直しが基本になります。

 漢方製剤の役割は糖尿病に伴う症状を軽減し「一病息災」で糖尿病と付き合いながら日々の生活の質を高めることにあります。

2.2型糖尿病の合併症

 糖尿病は血管障害を伴う疾患です。高血糖に加えて他の危険因子(高血圧、脂質異常症)と絡み合ったメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)を経て、図2のような全身におよぶ障害を誘発します。この合併症は要介護状態の引き金になります。これが糖尿病の怖さです。

3.2型糖尿病の漢方医療・・・病期による病理病態の変化と治療薬

 現代における糖尿の治療においては、
  ・高血糖を下げて血糖を管理するのは、西洋薬剤、
  ・糖尿病に伴う随伴症状を軽減するのに、漢方製剤、
を組み合わせて用いることが適切な方略です。

 糖尿病患者の漢方医学的な病態(証)は、肥満している時期とやせてきた時期(羸痩期 ルイソウキ)によって変化します。
  ・肥満期:肥満し中性脂肪が高く「いらだち、のぼせ、腹部膨満感」を伴う初期と
  ・羸痩期:病状が進み「やせて倦怠感があり、皮膚乾燥や足のしびれ感を伴う慢性期、
では使用する漢方製剤が異なります。これが漢方医療の病期診断です。
 今回は肥満期に用いられる漢方製剤を紹介します。

4.大柴胡湯(ダイサイコトウ)・・・肥満期の糖尿病に用いられる主要方剤

 糖尿病の初期は図2のイラストや図3の肥満期のイラストのように、肥満し中性脂肪が正常高値以上のメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)の状態です。
 これは漢方医学の実証(ジツショウ)の病態ですから、大黄(ダイオウ)を含む瀉剤(シャザイ)の適応になります。

 大柴胡湯(ダイサイコトウ)は、このような肥満した時期の糖尿病患者の症状を軽減するのに適した漢方方剤です。のぼせ傾向で、上腹部・脇腹がつかえて苦しく、便秘傾向で腹部膨満感に悩む人に用いられます。

 大柴胡湯は固く張ったような太り方で、ストレスなどを受け、のぼせてイライラしやすく、過食気味の方に適しています。(時には気うつ傾向の時もあります)。  本方については、高血圧(2)にも記載があります。参照してください。

5.防風通聖散(ボウフウツウショウサン)・・・肥満期の糖尿病に用いられる方剤

 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)は、肥満に用いる代用的な漢方製剤です。本方も、肥満期の糖尿病患者の症状を軽減するために用いられます。

 大柴胡湯防風通聖散の適応病態は、内臓脂肪症候群に伴う固太り、肩こり、腹部膨満感、便秘傾向などでともに類似していますが、
  ・大柴胡湯は、イラダチ、怒りっぽいなどの精神神経症状や、みぞおち・脇腹のつかえ
    感が顕著な時や(ストレス性胃炎の嘔気にも)に適し、
  ・防風通聖散は、ふきでもの、にきびなどの化膿傾向の皮疹や蓄膿症(副鼻腔炎)
    などを伴えば防風通聖散が適します。
 なおいずれも漢方医学的には、血流を調えるために桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)と併用されます。

6.大黄(ダイオウ)・・・肥満期の糖尿病に用いられる基本生薬

 大柴胡湯防風通聖散は、ともに大黄(ダイオウ)を含む瀉剤(シャザイ)です。
 大黄は肥満や高脂質血症、鬱積したストレスという余分なもの邪気(ジャキ)を体外に排泄する瀉剤の基本になる生薬です。

~ちょっと一言:肥満期の糖尿病の食養
・食物繊維を食べる:
ゴボウ・ダイコンなどの根菜類、ワカメ・ヒジキなどの海藻類、シイタケなどのキノコ類が便秘を軽減し脂質を下げるのに有用です。
・寝る前の食べ過ぎを避ける:
夜遅い食事が肥満の原因。夕食が遅くなる時は、軽くする。
・まとめ食いを避ける:
空腹時にまとめ食いをすると過食になりやすい。朝食を抜かずに規則正しく3食で食べる。
・ゆっくり食べる:
早食いすると過食になりやすい。

症状と漢方薬

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