漢方を知る

きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。

病気の悩みを漢方で

漢方薬名の意味

(13)十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)

他の漢方薬も見る!

1.十全大補湯 (ジュウゼンタイホトウ)の謂われ・・・大いに補う完全な湯剤

 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)の十全には、「完全な、欠点のない、パーフェクトな」という意味があります。そこで方剤名は、虚弱状態を大いに補う効能が完全な湯剤(トウザイ:煎じ薬)という効能に由来しています。

2.十全大補湯 (ジュウゼンタイホトウ)の適応・・・顔色が悪い、疲労倦怠感

 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)は、消化吸収力が弱いため栄養不足状態、貧血傾向になっている人に用いられます。

 皮膚が乾燥し色つやが悪く、体力の低下した人の疲労倦怠感(立っているのがつらく、横になりたい状態)や手足の冷えに適します。

 十全大補湯の適する虚弱状態はさまざまな疾病に悩む患者さんに認められます。
 十全大補湯は以下の項目でも解説しています。
 ・フレイル(虚弱)の漢方(3.顔色不良)
 ・やせと栄養失調の漢方(3.がん))を参照してください。

3.十全大補湯の配合生薬・・・2種類の(4+4+2)

 十全大補湯の配合生薬を2種類の(4+4+2)と考えることで本方の適応症状が理解できます。

3.1) 四君子湯+四物湯+黄耆(オウギ)桂皮(ケイヒ)・・・図2
  ・図2上段の4生薬が、消化吸収機能の低下を軽減する補気剤(ホキザイ)
    の四君子湯(シクンシトウ)の構成生薬です。
  ・中段の4生薬が、皮膚が乾燥し栄養不足状態を補う補血剤(ホケツザイ)
    の四物湯(シモツトウ)の構成生薬です。
  本方は、この8生薬に加えて補気薬黄耆(オウギ)と温める散寒薬(サンカンヤク)の桂皮(ケイヒ)を含めて10生薬で構成されています。

3.2) 苓桂朮甘湯+四物湯+黄耆(オウギ)人参(ニンジン)・・・図3
 ・図3上段の4生薬が、
  立ちくらみ、めまいを調整する
  苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
  の構成生薬です。
 ・中段の4生薬が、皮膚乾燥を
  潤す補血剤四物湯です。
 本方は、この8生薬に加えて
 補気薬黄耆人参からなります。

4.十全大補湯の関連方剤(1)・・・地黄を含む人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)

 人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)には、十全大補湯人参黄耆熟地黄(ジュクジオウ)を含めて10生薬中の9生薬が含まれています(図4)。

 人参養栄湯十全大補湯の相違は図4の上段の3生薬にあります。
これらが、不安不眠、咳嗽を軽減する作用に寄与しています。

 人参養栄湯は、漢方薬名の意味(31.人参養栄湯)を参照して下さい。

5.十全大補湯の関連方剤(2)・・・地黄を含まない補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)は、十全大補湯とともに虚弱状態に用いられる代表的な補剤です。

 補中益気湯十全大補湯の相違は、
1)だるさや筋肉の緊張低下を軽減する柴胡(サイコ)と升麻(ショウマ)を含み,
2)皮膚乾燥傾向を潤す熟地黄を含まないことです(図5)。
この2点は両方剤を使い分ける目安になります。

 補中益気湯に関しては、漢方薬名の意味(35.補中益気湯)を参照して下さい

ちょっと一言:(トピックス)

十全大補湯の応用展開

 十全大補湯は、消化吸収機能を調えて虚弱状態を補う方剤です。

 医療用の十全大補湯製剤は、病中病後や、外科手術や放射線治療、抗がん剤治療を受けている人の虚弱状態を回復させる目的で使用されています。
 がんの漢方(1.虚弱状態)を参照してください。

(2016年8月18日改訂公開)


症状と漢方薬

(あ行)
足腰の衰え(虚弱)
アルツハイマー型認知症
アレルギー性鼻炎
胃食道逆流症
胃腸かぜ
胃腸虚弱
胃腸虚弱(フレイル)
胃痛
胃もたれ
意欲の低下
意欲低下(虚弱)
イライラ
イライラ(産後)
インポテンツ
うつ感
円形脱毛症
おしっこの悩み(前立腺肥大)
(か行)
顔色不良(虚弱)
過活動膀胱
過換気症候群(過呼吸)
肩・首筋のこり
過敏性腸症候群
下部尿路症状
花粉症
関節痛(冷え症)
かんしゃく
乾燥肌
がん
気うつ
気うつ(産後)
気管支炎
機能性ディスペプシア
緊張型頭痛
軽度認知障碍
月経周期の乱れ
月経痛(冷え症)
月経痛(冷えのぼせ症)
月経不順(周期の長短)
月経不順(血の道症)
月経前症候群(PMS)
げっぷ
下痢
下痢(ゲンノショウコ)
高血圧
高血圧傾向(虚弱)
高血糖
好酸球性副鼻腔炎
口内炎
後鼻漏
かぜ(風邪)
呼吸困難(COPD)
こじれた咳(感冒)
子どもがほしい
(さ行)
産後の回復不全
残尿感(前立腺肥大)
しもやけ
CFS(慢性疲労症候群)
COPD
女性不妊
暑気あたり
自律神経失調症
尋常性ざ瘡
頭重感
頭痛
頭痛(しめつける痛み)
頭痛(婦人更年期障碍)
ストレス胃
生理痛(冷え症)
生理痛(冷えのぼせ症)
生理不順(血の道症)
精力低下(男性)
せき(咳)
咳(こじれた感冒)
喘息
喘息(発作)
喘息(寛解)
前立腺肥大
GERD
(た行)
たん(痰)
男性更年期障碍
男性不妊
蓄膿症
血の道症
痛風
手足口病
手足のしびれ(糖尿病)
動悸
凍瘡
糖尿病
(な行)
内臓脂肪症候群(糖尿病)
ながびく咳(感冒)
夏かぜ
夏バテ
2型糖尿病
にきび
尿意切迫
尿失禁
尿路結石
尿路不定愁訴
妊娠力をつけたい
認知症
脳血管性認知症
熱中症
脳梗塞と脳出血
のぼせ感
(は行)
肺気腫(COPD)
排尿困難(前立腺肥大)
排尿痛
鼻アレルギー
鼻かぜ
鼻づまり
鼻水
冷え症
冷えのぼせ症
鼻炎
皮膚瘙痒症
肥満
肥満(糖尿病)
疲労
疲労感
疲労感(胃腸虚弱)
疲労感(栄養不足)
疲労感(産後)
疲労感(ストレス)
疲労感(寝不足)
疲労感(冷え)
頻尿
PMS(月経前症候群)
不安定膀胱
プール熱
腹痛
副鼻腔炎
婦人更年期障碍
不眠
不眠(産後)
フレイル(虚弱)
ヘルパンギーナ
片頭痛
便通異常
便秘
膀胱結石
(ま行)
マタニティー・ブルー
慢性胃炎
慢性気管支炎(COPD)
慢性の咳(COPD)
慢性閉塞性肺疾患
無月経
胸やけ
メタボリック・シンドローム(糖尿病)
めまい
めまい(婦人更年期障碍)
(や行)
夜間頻尿
やせと栄養失調
腰痛(男性更年期障碍)
抑うつ感
抑うつ感(虚弱)
(ら行)
冷房下痢

TOP