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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

花粉症の漢方

(1)急性期の治療
(2)寛解期の治療

1. 花粉症の概要

 花粉症は花粉が抗原(アレルゲン)になって発症する季節性のアレルギー性鼻炎です。花粉症は、
1)外因:花粉(抗原:アレルゲン)の侵襲やストレスと
2)内因:アレルギー素因や全身病態虚弱状態心身症傾向など)
が絡み合って発症します(図1)。

 花粉症の主症状は水様性鼻水、くしゃみ、鼻づまりです。目のかゆみや咳嗽を伴うこともあります。
 花粉症は鼻症状が顕著、目のかゆみがあり、発熱は少ない、新型コロナ感染は発熱、咳嗽が顕著なことが相違点です。

2. 花粉症の経過と治療の概要

 花粉症の治療は1)予防、2)鼻症状発現期の対症治療、3)寛解期の全身病態に応じた治療に分けて考えます(図2)。

 今回は、鼻症状の対症治療(標治 ヒョウチ)に用いられる方剤を解説します。寛解期の全身病態の調整(本治 ホンチ)は次回に解説します。

3.小青竜湯(ショウセイリュウトウ): 鼻水型花粉症の基本方剤

 小青竜湯水様性無色鼻水くしゃみ涙目を伴う鼻水型の花粉症に用いられる基本方剤です。小青竜湯を参照してください。

 医療用小青竜湯製剤の通年性鼻アレルギーに対する有用性が二重盲検比較試験で明らかにされています。

小青竜湯:2週間投与。通年性鼻アレルギー患者(220人)
くしゃみ発作鼻水鼻閉がプラセボ群より有意に改善。
・副作用の眠気は認められず。

 この眠気を誘発しない臨床効果は、小青竜湯が脳内のヒスタミンH1受容体に影響を及ぼさないという基礎研究で裏付けられています。
 小青竜湯細辛(サイシン)半夏(ハンゲ)甘草(カンゾウ)が方剤の抗アレルギー作用を担っていることが基礎的に明らかになっています。

4.小青竜湯の適応領域を拡大する工夫

 鼻水型の花粉症には小青竜湯から使用し始めるのが基本です。さらに他剤と併用して適応領域を広げる工夫がなされています。

4.1) 小青竜湯の抗アレルギー効果を西洋薬で強化する

  現在使用されている 西洋薬 抗アレルギー薬は、医療用での使用実績を踏まえており即効性があり作用も確実です。
 鼻症状が顕著な時には 抗アレルギー薬を先行投与するか、小青竜湯と同時投与します。

4.2) 小青竜湯に清熱効果を付与する(清熱薬石膏を加味

 鼻周辺部の熱感や粘稠傾向鼻汁、咽頭痛など熱証を帯びる場合は清熱薬石膏(セッコウ)を含む五虎湯(ゴコトウ:麻杏甘石湯桑白皮 ソウハクヒ)を併用します。

 涙目や目のかゆみには利水薬(リスイヤク)の蒼朮(ソウジュツ)を含む麻黄石膏剤の越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)を併用します(図3)。

4.3) 小青竜湯の鼻閉改善効果を強化する(通鼻薬を追加

 鼻閉が顕著な場合は通鼻薬細辛辛夷(シンイ)を含む方剤と併用します。
 ・麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)(細辛を強化)
 ・葛根湯加川キュウ辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)(辛夷を追加)
 ・辛夷清肺湯(シンイセイハトウ)(辛夷を追加)


麻黄の重複に注意: 麻黄配合剤を併用すると麻黄による「不眠、動悸、発汗、食欲不振、(高齢男性の排尿困難)」など の副作用が危惧されます。これらの予兆の有無に注意しながら経過を観察します。

4.4) 小青竜湯の胃腸障碍を軽減する併用

 小青竜湯の連用による胃腸障碍を軽減するためには二陳湯(ニチントウ)や苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)を併用します。

 小青竜湯の応用展開に関しては鼻炎の漢方(2.慢性鼻炎)副鼻腔炎の漢方(1.急性期の治療)も参照してください。

ちょっと一言:(トピックス)

花粉症のセルフケアと予防的服用

1)花粉の回避: マスク、花粉用のメガネ、帽子。
   洗濯物の室内干し、晴れて風の強い日の外出は控える。
2)帰宅時の洗浄: 帰宅後のうがい、手や顔、目、鼻を洗浄。
3)体調管理: 食事、睡眠、休養、リラックス。

 小青竜湯予防的服用: 花粉症に毎年悩む人は花粉飛散予報を見て飛散前から小青竜湯を予防的に服用する。

(2021年2月22日 改訂公開)


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