漢方を知る

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病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

ストレス胃

(1)口内炎・イライラ
(2)胃痛、腹痛 (3)胃もたれ

1.ストレス胃と心身一如

 ストレス胃は学術用語ではなく、医薬品の宣伝用語です。その意味は、神経性胃炎などの心理社会的因子(ストレス)の関与の大きな胃腸疾患です。十二指腸潰瘍の前段階とも言えます。

 心身一如(シンシンイチニョ)は漢方医療の特徴を示す言葉です。漢方は心(気持ち)と身体の相互関係に配慮する医療ですから、ストレス胃の治療に適します。


2.ストレス胃の患者を診る漢方医療の眼

 ストレス胃の漢方医療では、まずどのような人なのかを診ます。その眼のつけどころは、ストレスに抵抗しようとしてイライラしている気逆(キギャク)の状態か、ストレスに負けて気うつ傾向にある気滞(キタイ)なのかを判断することです。気逆と気滞は総論:4で概説したように漢方医療独自の病態観です。

 次いで、どのような胃腸の症状に悩んでおられるのかを聞きます。さらに二便の状態、睡眠などの全身状態の情報を総合して適切な漢方処方を選びます。

 この漢方医療の診察と病態の診断(証:ショウ)から、用いるべき生薬や処方を判断できるのです。今回は、主に気逆によるストレス胃の口内炎の治療を紹介します。

3.口内炎・イライラを伴うストレス胃に用いられる黄連

セリバオウレン

 口の中の粘膜が赤く炎症を起こし、熱が出たり口臭がひどい口内炎は、熱証で気逆が関係しています。このような時に清熱作用があり、薬理的には口内のバイクテリアを抑制する黄連(オウレン)の適応となります。

 黄連はストレスを負荷した消化性潰瘍病態を抑制する作用が明らかにされていますので、ストレス胃(神経性胃炎)に伴うイライラ(気逆)に適します。

 この黄連黄芩(オウゴン)を組み合わせた処方は瀉心湯(シャシントウ)類と言われ、みぞおち(心窩部)の症状を目指して用いられてきました。


4.口内炎を伴うストレス胃に用いられる瀉心湯類

 なお、口内炎には、これらの処方を服用するとともに、甘草湯(甘草の水煎エキス)を口に含んで患部に触れさせてからゆっくり飲むとよいでしょう。

5.ストレス胃に用いられる瀉心湯類の配合生薬

 黄連黄芩を含む処方は、その他の配合生薬によって用途が相違します。

6.ストレス胃の予防

 ストレス胃(神経性胃炎)の予防には、散歩して気分転換をはかることです。このとき腕を振って肩の筋肉の緊張をほぐすとよいでしょう。

 規則正しく食事をすることに注意し、脂っこいものを控え、キャベツ、ダイコン、ジャガイモ、春菊、三つ葉などの野菜をしっかり食べましょう。

ちょっと一言:(トピックス)

心身一如(シンシンイチニョ)

 心身一如は心身相関のこと。心(気持ち)と身体を不可分のものとして診療する漢方医療の基本になります。これを全人医療ともいいます。

 一方、生命科学は主に身体の解析に注力してきました。これを踏まえた現代科学医療は身体の物質的側面を重視した治療を行っています。


症状と漢方薬

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骨粗鬆症
子どもがほしい
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ストレス胃
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生理痛(冷えのぼせ症)
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咳(こじれた感冒)
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喘息(発作)
喘息(寛解)
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男性不妊
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鼻かぜ
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