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病気の悩みを漢方で

不眠の漢方
1.不眠症
「昼間に眠くて生活する上で支障のある病態」が不眠症です。睡眠の量や質に対する満足感は個人差があります。6時間程度の睡眠で十分な人もいるわけです。睡眠時間が6時間だから、自分は不眠症だと決めつけないでください。
不眠症
夜間の不眠で困っており、不眠のために日中に何らかの悪影響が出ている状態。
睡眠時間の長短ではなく、日中の活動に影響があるかないかが重要になっています。
2.不眠に対する漢方医療の眼
漢方医学では図のように夕方以降に眠くなるのは、活動を担う体内の陽気が少なくなり、休息を担う陰気(陰液)が増加するからだと考えています。この陰陽の交代が乱れると不眠になります。寝付きが悪い入眠障害の原因は、陽気の過剰か、陰気(陰液)の不足が考えられます。
これは現代医学の自律神経(交感神経と副交感神経)の日内リズムに類似しています。陽気が交感神経、陰気が副交感神経の機能に相当します。夜更かしする現代人はこの日内リズムが乱れるのです。

- ※「陰陽論」を踏まえた目覚めと睡眠
- 漢方医学では早朝に陽気が多くなって目覚め、夕方に陰気が多くなって休息する(眠くなる)と考えています。(上図の陰陽は6時と18時で明確に入れ替わるように描いていますが、実際は段階的に少しずつ入れ替わります。)
3.不眠(入眠障害)に対する漢方医療の眼
3.1)陽気過剰の入眠障害

陽気の過剰はイライラ、怒り、のぼせ、興奮から判断します。
OGさんのような状態には、黄連(オウレン)と山梔子(サンシシ)などを含む黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)が適します。便秘傾向であれば大黄(ダイオウ)を含む三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)を用います。



3.2)陰気不足の入眠障害
陰気不足は、疲労感、皮膚の乾燥、顔色の悪さから判断します。
疲れすぎて寝付きが悪いときに用いるのが酸棗仁湯(サンソウニントウ)です。




心身が疲れ、精神不安をともなう人の不眠症
疲れて元気がなく、顔の色つやがなく、動悸や物忘れを伴う場合には酸棗仁に薬用人参や黄耆(オウギ)や竜眼肉(リュウガンニク)を含む帰脾湯(キヒトウ)が適します。
3.3)陽気過剰と陰気不足の併発した入眠障害
3.1)項のイライラのぼせ(陽気過剰)と3.2)項の貧血傾向(陰気不足)の夾雑した入眠障害には抑肝散(ヨクカンサン)が適します。夜中に眼が覚める熟眠障害にも用います。抑肝散は認知症患者さんの興奮症状を軽減することで注目されています。
抑肝散には柴胡(サイコ:ミシマサイコの根)や釣藤鈎(チョウトウコウ:カギカズラのとげ)が含まれています。



神経が高ぶり、怒りやすくイライラする人の不眠症
(子どもの疳の虫、婦人更年期障碍にも用いる)

イライラや怒り、気うつや不安感など、情緒の変動が大きく疲労感を感じるKSさんの寝付きの悪さには加味逍遙散(カミショウヨウサン)が適します。柴胡や山梔子や牡丹皮(ボタンピ:ボタンの根の皮)を含む処方です。



のぼせ感、肩こり 疲労感、不安感、いらだちを伴う人の不眠症
(婦人更年期障碍にも用いる)
4.不眠に伴う症状をくわしく話してください。
寝付きが悪い悩みに用いる生薬や漢方処方を解説しました。漢方相談の場合には、眠れない苦しみ以外に、頭痛、冷えのぼせ、疲労感、食欲などの症状や気分をくわしく話してください。あなたに適した処方を選ぶ指針になります。
なお、睡眠時間に拘りすぎると、寝付きがわるくなります。眠る前に軽く読書をしたり、音楽を聴くなどリラックスする工夫をしてください。
また、昼寝の時間が長いと、寝付きが悪くなります。

- 疾患:気管支喘息、神経症、うつ病、統合失調症、…。
- 症状:咳き込み、かゆみ、発熱、夜間頻尿、下痢、痛み、…。
- 環境:騒音、明るさ、温度、湿度、…。
- 気持ち:不安、ゆううつ、心配、怒り、…。
- 薬物など:降圧剤、甲状腺治療薬、飲酒、コーヒー、…。
※薬に頼る前に、不眠の原因を考えてください。
病気の悩みを漢方で
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