病気の悩みを漢方で

１．PMS（月経前症候群）に用いられる漢方処方

　PMSは、月経の数日前（黄体期）に発症し、月経到来後に消失する多様な精神症状と身体症状です。月経前不快気分障害ともいわれます。

　PMSに用いられる主な漢方処方を下に整理しました。これらは、漢方医学の病態に応じて使い分けられます。

　あなたに最適な処方を決めてもらうために、主訴（もっとも苦しい症状）以外に、日頃の胃腸の状態、便通、などいろいろな症状を話してください。話しやすい「かかりつけの」薬局さんを持っていることが、適切な漢方医療を受けるコツです。

２．PMSに用いる処方の使い分け（１）体力の余力の程度

　漢方医療では、平素の体力の程度を処方を選ぶ指針にしています。日本漢方の虚実の診断です。

　体力の程度は、胃腸の丈夫さの程度に相当します。胃腸に負担のかからないように処方を選ぶ漢方医療の知恵です。

　患者さんは、苦しい症状に加えて、食欲、便通、疲労感なども話してださい。

３．PMSに用いる処方の使い分け（２）のぼせと冷え

４．PMSに用いる処方の使い分け（３）イライラと気うつ

５.PMSに用いる処方の使い分け（４）腹痛・生理痛

呉茱萸（ｺﾞｼｭﾕ）
頭痛の特効薬

６.PMSに用いる漢方薬の服用の「コツ」

1）対症療法（標治）

• PMSは月経前3-10日に認められるので、症状の発現する数日前から服用する。
• 痛みが強い場合は、芍薬甘草湯を併用する。
• 胃腸虚弱を伴う場合は、安中散を併用する。

2）根治療法（本治）

• お血、水滞、気虚、気滞を改善する根本療法（本治）も必要なので、相談してください。