漢方を知る

きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。

病気の悩みを漢方で

症状と漢方薬

脳梗塞と脳出血の漢方

1.糖尿病から脳卒中(脳梗塞、脳出血)への進展予防

 脳卒中の危険因子には、メタボ肥満、高血圧、脂質異常症(高脂質血症)などの生活習慣病があり、中でも糖尿病の関与が大きいようです。

脳卒中を予防するための血糖を管理する治療は、血糖降下薬を使い分ける現代科学医療の領域です(図1)。

 漢方方剤は、高血糖による随伴症状を軽減してQOL(生活の質)を改善し、結果的に糖尿病から脳卒中への進展を遅らせることに寄与します。

2.メタボ肥満者の脳卒中予防に用いられる主な大黄配合剤

 メタボ肥満や高血糖に伴う症状に用いられる大黄(ダイオウ)を含む主な方剤を図2に示しました。

図2の方剤は症状(病態)に応じて使い分けられます。

・のぼせ、頭痛、胸苦しさ、打撲浮腫、更年期障碍 ・・・通導散
・肥満、上腹部(心窩部、脇腹)の膨満感     ・・・大柴胡湯
・肥満、へそ周りの膨満感、化膿傾向、吹き出物  ・・・防風通聖散

通導散は、漢方薬名の意味(27.通導散)を、
大柴胡湯防風通聖散に関しては、肥満の漢方(2.漢方方剤)を、
大承気湯は、漢方薬名の意味(24.大承気湯)を参照してください。

3.防風通聖散(ボウフウツウショウサン)・・・メタボ肥満、便秘

 防風通聖散は、のぼせ、肩こり、便秘を伴う腹部に皮下脂肪が多い肥満の人に用いられます。
 防風通聖散の肥満・糖尿病患者に対する体重減少効果は臨床的に認められています。但し、食事療法や運動療法と併用されています。服用するだけで直ちに痩せられる薬ではないことを理解してください。

防風通聖散は、BMI25以上、HbA1c 5.4%以上の肥満・糖尿病患者に3ヶ月投与すると、BMIとHbA1c値の改善がみられた。
但し、1900 kcal/日の減量指向食と併用

防風通聖散は、BMI36.5±4.8以上で耐糖能異常(IGT)のある肥満女性患者に24週投与すると、BMI値の改善とインスリン抵抗指数の改善がみられた。
但し、1200 kcal/日の低カロリー食と5000歩/日の運動療法併用

 なお、防風通聖散は、薬剤性肝機能障害などの副作用報告が多い漢方製剤です。本方を長く服用していて、疲れやすくなったり、からだが痒くなるなどの異常を感じたら、その製剤を持参してかかりつけのお医者さんに相談してください。

 とくに、肥満していない人が「やせるために」本方を安易に連用するのは避けてください。
 本方の適正使用に関しては、やせと栄養失調の漢方(1.基礎知識)を参照してください。

4.牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)・・・皮膚乾燥、足先のしびれ

 糖尿病の漢方治療では、脂ぎって肥満している時期と、やせて皮膚が乾燥した時期では使用方剤が異なります。糖尿病の漢方(3.病期に応じた治療2)を参照してください。
 牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)は、糖尿病が長引き、やせて疲れやすく、腰痛、四肢の冷えやしびれを伴う時に用いられます。(しびれは糖尿病神経障碍の症状に類似します)。
 排尿困難や残尿感や夜間多尿など「おしっこ」に関する症状も伴います。
漢方薬名の意味(8.牛車腎気丸)を参照してください。

ちょっと一言:(トピックス)

節制と摂生から摂生へ

 肥満・高血糖の予防と治療の基本は、飽食と運動不足の見直しです。

節制:食欲、飲酒、喫煙などの欲望を抑えて度を越さないように
   控えめにすること。努力が必要です
摂生:適度な飲食、規則正しい日常生活を心がけ健康に気を配る
   こと。節制が習慣になって無理なく養生できる段階です。

 現在の体重の3~5%の減量をめざして生活の見直しを考えて数ヶ月間節制に努めてください。そしてそれが習慣になる摂生を継続できるといいですねぇ。それが脳卒中の予防になります。

(2019年11月26日公開)

あなたの街の漢方相談薬局・薬店へ
  • 前のページ「脳梗塞と脳出血の漢方(2)高血圧」

症状と漢方薬

(あ行)
足腰の衰え(虚弱)
アルツハイマー型認知症
アレルギー性鼻炎
胃食道逆流症
胃腸かぜ
胃腸虚弱
胃腸虚弱(フレイル)
胃痛
胃もたれ
意欲の低下
意欲低下(虚弱)
イライラ
イライラ(産後)
インポテンツ
うつ感
円形脱毛症
おしっこの悩み(前立腺肥大)
(か行)
顔色不良(虚弱)
過活動膀胱
過換気症候群(過呼吸)
肩・首筋のこり
過敏性腸症候群
下部尿路症状
花粉症
関節痛(冷え症)
かんしゃく
乾燥肌
気うつ
気うつ(産後)
気管支炎
機能性ディスペプシア
軽度認知障碍
月経周期の乱れ
月経痛(冷え症)
月経痛(冷えのぼせ症)
月経不順(周期の長短)
月経不順(血の道症)
月経前症候群(PMS)
げっぷ
下痢
下痢(ゲンノショウコ)
高血圧
高血圧傾向(虚弱)
高血糖
好酸球性副鼻腔炎
口内炎
後鼻漏
かぜ(風邪)
呼吸困難(COPD)
こじれた咳(感冒)
子どもがほしい
(さ行)
産後の回復不全
残尿感(前立腺肥大)
しもやけ
CFS(慢性疲労症候群)
COPD
女性不妊
暑気あたり
尋常性ざ瘡
頭重感
頭痛
ストレス胃
生理痛(冷え症)
生理痛(冷えのぼせ症)
生理不順(血の道症)
精力低下(男性)
せき(咳)
咳(こじれた感冒)
喘息
喘息(発作)
喘息(寛解)
前立腺肥大
GERD
(た行)
たん(痰)
男性更年期障碍
男性不妊
蓄膿症
血の道症
手足口病
手足のしびれ(糖尿病)
動悸
凍瘡
糖尿病
(な行)
内臓脂肪症候群(糖尿病)
ながびく咳(感冒)
夏かぜ
夏バテ
2型糖尿病
にきび
尿意切迫
尿失禁
尿路結石
尿路不定愁訴
妊娠力をつけたい
認知症
脳血管性認知症
熱中症
脳梗塞と脳出血
のぼせ感
(は行)
肺気腫(COPD)
排尿困難(前立腺肥大)
排尿痛
鼻アレルギー
鼻かぜ
鼻づまり
鼻水
冷え症
冷えのぼせ症
鼻炎
皮膚瘙痒症
肥満
肥満(糖尿病)
疲労
疲労感
疲労感(胃腸虚弱)
疲労感(栄養不足)
疲労感(産後)
疲労感(ストレス)
疲労感(寝不足)
疲労感(冷え)
頻尿
PMS(月経前症候群)
不安定膀胱
プール熱
腹痛
副鼻腔炎
婦人更年期障碍
不眠
不眠(産後)
フレイル(虚弱)
ヘルパンギーナ
便通異常
便秘
膀胱結石
(ま行)
マタニティー・ブルー
慢性胃炎
慢性気管支炎(COPD)
慢性の咳(COPD)
慢性閉塞性肺疾患
無月経
胸やけ
メタボリック・シンドローム(糖尿病)
めまい
めまい(婦人更年期障碍)
(や行)
夜間頻尿(前立腺肥大)
やせと栄養失調
腰痛(男性更年期障碍)
抑うつ感
抑うつ感(虚弱)
(ら行)
冷房下痢

漢方薬名の意味


TOP